人手不足の介護現場にロボットを 目覚ましい技術の進歩も導入には賛否

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全部ロボット任せでなく、あくまで補助

   介護の現場では、高齢者の手足のリハビリ、食事やトイレの介助、話し相手といった用途でロボットが活躍する余地は大きい。介護・福祉ロボットの国内市場規模は、2015年の167億円から20年後の2035年には4043億円に拡大するとの予測も出た。

   だが、現在国内の高齢者施設でロボットを導入している割合は、わずか1.3%にすぎない。背景には、ロボットが誤作動して人を傷つけるかもしれないという不安、コストがかかりすぎる、またロボットを導入する人手そのものが足りないという現実がある。

   スタジオの大阪工業大学・本田幸夫教授は「介護の人手不足を補う有効ツールとして、(ロボットの)導入を進めていく必要がある」と指摘した。介護ロボットを積極的に活用しているデンマークは、あえてリスクをとりながらもロボットを使い、データやノウハウを蓄積して改良を加え、より優秀なロボットをつくっていこうとの考えだ。

   番組でアンケートをとったところ、日本人で「ロボットによる介護・リハビリを受ける」と答えた人は72%に上った。肯定派は「排せつや風呂など、人による介護では恥ずかしい」「高齢者と同じ会話を繰り返すと、感情的になってしまう」と、ロボットならではのメリットを見いだしている。一方否定派からは、「介護は温かい人の手で行ってほしい」「ロボット相手では惨めな気持ちになる。家族に見放された気になる」との意見があった。

井上アナ「介護ロボットの受け止めは、いろいろですね」
宮川「ロボットを『杖』と思ったら、少し気楽で身近なものに感じられるんじゃないですか。あくまでも補助。全部ロボット任せではなく、上手に付き合う」
本田教授「『(ロボット相手で自分が)モノのように扱われる』のではなく、ロボットは人を助けるアシスタント。うまく使っていけば、介護をする人に気を遣う必要もなくなるでしょう」
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