安保法制を批判し、安倍政権への対決姿勢で知られる学生団体「SEALDs」(自由と民主主義のための学生緊急行動)について、ジャニーズの人気アイドルグループ「NEWS」の加藤シゲアキさん(28)が雑誌のインタビューで「賛同」を明言した。
加藤さんのファンや「SEALDs」支持者の反応は......。
奥田愛基「自粛ムードの中でこれ言うのめちゃくちゃ勇気いる」
加藤さんが登場したのは、2016年6月27日発売の「朝日ジャーナル」(緊急復刊7月7日号)。佐藤修史・同誌編集長との対談の中で「SEALDsには、すごく賛同できます」と語り、
「今から年金のことを考えろって言われても、40年後の未来なんてわからない、とにかく今を生きるしかない。若い人はそう考えていると思います。ただ。今をしっかり生きていこうとしている以上、極端な政治変革は受け入れにくい。SEALDsに賛同するのもその辺ですね」
と賛同の理由を明かした。
安倍政権を強く批判してきたSEALDsへの賛意は、政治的なスタンスの表明につながる。ただ、ツイッターでは
「すっごくこの気持ちよく分かる」
「シゲちゃんの凄さを感じた」
「かっこいい、、、」
とファンらしき人たちから称賛の声が相次いでいる。「シゲアキくん、それはないわ」といった声も一部あるものの、少ない印象だ。SEALDsの奥田愛基さんも6月28日、ツイッターで「ジャニーズ事務所なのに、自粛自粛ムードの中でこれ言うのめちゃくちゃ勇気いると思う。本当にこういうの嬉しい」と喜びの声を上げた。
過去のアイドル発言には「浅い知識で政治を語るな」の声も
加藤さんといえば、小説家として活動しているうえ、朝の情報番組「白熱ライブ ビビット」(TBS系)にもコメンテーターで出演中だ。ジャニーズタレントの中でも「文化人」という位置付けが明確になりつつある。
実際、インタビュー記事でもオバマ大統領の広島訪問や、元米海兵隊員の米軍属が沖縄で日本人女性の死体を遺棄した事件に触れ、「僕は(オバマ氏が)来ただけでも快挙だったと思う」「日本人だって、日本人をレイプすることがある。『米兵がやったから』というのはフラットな考え方とも思えません」と指摘。情報番組への出演で培ったコメント力を発揮している。
「嵐」の櫻井翔さんや「NEWS」の小山慶一郎さん、「KAT-TUN」の中丸雄一さんをはじめ、近年多くのジャニーズタレントが報道番組にキャスター起用されている。ただ、今回の加藤さんのような、自身の政治的なスタンスに直結する発言はほとんど知られていない。
影響力が大きいだけに、内容によっては厳しい批判を受ける可能性もあるからだ。「SMAP」の中居正広さんが14年6月15日放送の情報番組「ワイドナショー」(フジテレビ系)にゲスト出演した際、 日韓関係の悪化について「(日本が)謝るところは謝ればいいんじゃないですか?」と発言。放送後に、「浅い知識で政治を語るな」とネットで批判された。
SEALDsへの賛同を表明した加藤さんは、今後も政治的なトピックに関する発言を続けていくのか、それともブレーキがかかるのだろうか。