「尾木ママ」こと教育評論家の尾木直樹さん(69)が「謝罪の大切さ」を訴えたところ、ネット上でツッコミの嵐が起きている。
日頃、鋭い意見で時事ネタを「斬る」尾木ママだが、勘違いによる発言や行き過ぎた発言もあり、物議を醸すこともしばしば。ブログでは間違いを認めて謝ることは「恥ずかしいことではない」と力説しているものの、「そもそも発言する前にじっくり考えるべき」との声が相次いでいるのだ。
「人間、毎日勘違い、間違いの連続」
尾木さんは2016年6月28日、「謝るのって恥じゃないですよ...大切なこと」と題したブログ記事を公開し、
「間違えたら 勘違いあれば『ごめんなさい』って謝るの大事なこと 恥ずかしいことじゃありません」
とつづった。
一連の「政治とカネ」問題で東京都知事を辞任した舛添要一氏について「言い逃れたり へ理屈言う方が 何倍も恥ずかしいことではないのかしら」と指摘しながら、子を持つ親も、教師も、謝るべき時は素直に詫びることが必要だと主張。
「人間、毎日勘違い、間違いの連続 不完全なんですよ...」
「信頼関係強まりますよ 人間『お互い様』 おわびしていいのですよ」
と、謝罪の大切さを説いた。
なぜ突然こうしたブログを書いたのか、理由は記されていない。ただ、尾木さんは前日27日放送のバラエティー番組「7時にあいましょうSP」(TBS系)で、因縁の相手に謝罪したばかりだった。
番組では、東京大学に息子3人を入れた教育ママとして話題の佐藤亮子さんと対面。教育論についての議論は平行線をたどったが、自身のコラム中で「母親のぬくもりを感じられない」等の個人攻撃をしたことについては「あれはまずかった。ごめんなさい」と謝罪した。
「脊髄反射で書き散らすのが問題」
尾木さんは日頃、時事ネタ――特に教育に絡む問題についてはブログ等で積極的に意見を発信している。テレビで見せる温和な笑顔や物腰柔らかい口調からは想像もつかない厳しい見方を示すことも少なくない。
だが行き過ぎた発言も目立ち、インターネット上で「炎上」することも、ままある。つい最近では、北海道の「男児置き去り」騒動をめぐり男児の両親を批判したことが大きな波紋を広げ、その後ブログで謝罪した。
2015年にも、2020年の東京五輪エンブレムのデザイナーに200億円の賞金が入るという誤った情報をもとに疑問を呈したり、すでにNHK経営委員会を退任している作家の百田尚樹さんについて「自ら辞任すべき」と訴えたり――と、事前確認を怠った故の「お門違い」な批判を展開して謝罪を余儀なくされたケースがあった。
「素直に謝罪することが大切」というのは、まさにその通りだが、尾木さんに至ってはこうした経緯があるため、多くの読者には、むしろ自己弁護と受け止められてしまったようだ。
ネット上には、
「だからって、最終的には謝ればいいと、変に割りきってないか?」
「なぜ発信する前に検証をしない?そんなに喋りたがりなのか?」
「影響力のある人は、謝るだけでは済まなくなることもある」
「あなたが言えることではない」
「脊髄反射的に書き散らしてるのが問題なんであって、謝れば良いと言うことじゃ無いんだけどなぁ」
という声が相次ぎ寄せられている。
なお、尾木さんと対面した先述の佐藤さんは番組中でこうコメントしていた。
「言った方は『ごめんなさい』で済むかと思ってるかもしれないけど、言われた方は『ごめんなさい』で済むと思ったら大間違いですよ!」