コーヒーは意外にシャキッとしない 睡眠不足だと眠気覚まし効果はゼロに

   ウトウト、コックリ...。よし、眠気覚ましにコーヒーをグイっと飲んで気合を入れるぞ! と思う人は多いだろうが、実は、睡眠不足が続くと、カフェインによる覚せい効果は続かなくなることがわかった。

   米ウォルター・リード陸軍研究所のトレイシー・ドッティ博士らのチームが、2016年6月、米デンバーで開かれた米国睡眠専門家協会集会で発表した。

  • コーヒー飲んで気合入れる、はずだったのに
    コーヒー飲んで気合入れる、はずだったのに
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やはり、しっかり眠ることが一番

   ドッティ博士らは、健康なボランティア48人を対象に、5日間、睡眠を一晩5時間に制限して睡眠不足の状態にした。被験者を1日に2回、カフェインの量が合計200ミリグラムに相当するコーヒー(平均的なコーヒー1杯のカフェインは約95ミリグラム)を飲むグループと、カフェインを含まないプラセボ(偽)のコーヒーを飲むグループに分けた。そして、起きている間は1時間ごとに知能技能テストを行なった。

   その結果、最初の2日間はカフェイン摂取グループの成績がプラセボ・グループより良かったが、残りの3日間は差が認められなくなった。カフェインの覚せい効果が3日目から効かなくなったわけだ。

   ドッティ博士は「カフェインは睡眠不足に抗うために広く使われていましたから、この結果は意外でした。1日に2回、カフェインの量が合計200ミリグラムのコーヒーが覚せいには有効とされていましたが、睡眠不足が3日以上続くと不十分であることがわかりました。やはり、1日に7~8時間、しっかり眠るべきですね」とコメントしている。

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