週1回の温泉で動脈硬化予防に期待 湯治の効果を「1000人調査」で実証

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研究は「スタート地点」

   長期的にみて悪玉コレステロール値を下げる方法でよく言われるのは、食事や運動だ。サンマやサバ、イワシといった青魚に多く含まれる栄養素のDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)には、悪玉コレステロール値の低下と上昇予防効果がある。厚生労働省は「日本人の食事摂取基準」(2015年版)で、健康増進のため1日1000ミリグラム以上のDHAを摂取するよう推奨しているが、実際は、年齢層にもよるが300~500ミリグラムしか摂取できていないという。

   中性脂肪が多いと悪玉コレステロールも増えるが、中性脂肪を落とすには日々の有酸素運動が有効だ。ところが、ランニングで燃焼させるとなると20分以上、ウォーキングでは30分以上が最低ライン。同時に疲労もたまるので、忙しいビジネスパーソンが継続するには難しいかもしれない。

   その点、「週1回の温泉入浴という方法は、比較的実践しやすいのではないか」と早坂教授は述べる。日本には2万7000か所以上、1400以上の市町村に温泉の源泉があり、手軽に利用できる温泉施設も増えている。週末に疲れた体を癒しに温泉に行けば、ストレスの軽減にもつながる。

   今回の研究では、水温や入浴時間、泉質による違いといった、具体的な温泉入浴方法までは比較できていないが、早坂教授は「これはスタート地点。これから詳細な研究を進めていく」と意欲を示している。

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