TBS系バラエティ番組「ピラミッド・ダービー」の出演者が、「CGで自分の姿が消される捏造があった」とブログで告発し、物議を醸している。これに対し、サンケイスポーツ報道によると、TBSは「行き過ぎた編集」を認めたという。
番組では、「珍種目No.1は誰だ!?」として、各分野のプロらが変わったルールの種目で対決し、ゲストらがNo.1を予想している。
本人は「脱落してねーから!」
2016年6月19日の放送では、4レースが行われ、告発があったのは最終レース「双子見極めダービー」だ。登場する双子が入れ替わっているかを見極めるという設定で、「達人」4人が出演した。
そのうちの1人、顔相鑑定士の池袋絵意知(えいち)さんが、放送後の22日に自らのブログを更新し、「テレビの裏側全部暴露します」と異例の発言を行った。
それによると、池袋さんは、最後の4回戦まで出たにもかかわらず、3回戦で脱落したと紹介された。脱落は、ルールにはなかったという。それも3回戦とされたのは実は4回戦で、3回戦が最終戦になるよう順位が入れ替えられ、なんとCGによる映像加工で池袋さんの姿が消されていたというのだ。
これが事実なら、映像では左から2人目のブースにだれも立っていないが、実際は池袋さんがいたことになる。池袋さんは、4回のうち2回は不正解だったものの、残り2回は正解していたという。
池袋さんはブログで、「脱落してねーから!」とTBS側に憤りを露わにし、「これは編集ではなくねつ造です」「視聴率のためなら何をやってもいいと感覚が麻痺している」と非難している。そして、自分の名誉・人権を侵害されたとして、法的措置も辞さないことも明らかにした。
「捏造」の理由としては、TBS側は、このレースで優勝したメンタリストのDaiGoさん(29)ありきで企画していたからではないかと、独自の憶測を述べている。
「TVなんてそんなもん」の声も
ネット上では、「ピラミッド・ダービー」を手がけたのが、ヤラセ問題で打ち切りになったフジテレビ系「ほこ×たて」の制作会社のグループ会社であることも話題になっている。
もっとも、「TVなんてそんなもん」「程度の違いあっても演出や脚色は100%やってる」といった指摘も出ていた。
複数の報道によると、池袋絵意知さんがTBSのプロデューサーらに謝罪を求め、プロデューサーも6月26日に池袋さんに会って謝罪した。
サンケイスポーツの27日の記事(電子版)では、池袋さんの告発について、TBSは「演出の一環のつもりでしたが、事前に説明や了解を得ることなく画像を加工し、行き過ぎた編集がありました」と不適切な演出を認めたとしている。ただ、池袋さんは、TBS側に対する不満が残っている模様で、放送倫理・番組向上機構(BPO)に申し立てすることなども検討しているという。
番組の制作会社にJ-CASTニュースが27日に取材すると、担当プロデューサーが「この件については、TBSに一任しています」と答えた。TBSの広報部にも取材したが、この日夕までには回答はなかった。