共産党「人殺し予算」発言「取り消し」 「不適切だった」のはどこまで?

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安倍首相はFBで共産、民進を挑発

   だが、この発言に対する批判が相次ぎ、藤野氏は17時過ぎにツイッターとフェイスブック(FB)に

「この発言は、安保法制=戦争法と一体に海外派兵用の武器・装備が拡大していることを念頭においたものでしたが、テレビでの発言そのものはそうした限定をつけずに述べており、不適切であり、取り消します」

と書き込んだ。一応、発言は「不適切」だとして取り消した形だが、安保法制により海外への自衛隊派遣に必要な費用が増えていることを説明すれば「人を殺すための予算」という発言が正当化されるともとれる内容だ。

   藤野氏の「取り消し」の後、FBのコメント欄には、

「軍事費の大部分は人を殺傷し物を破壊するためであることは明らかです」
「戦闘機自体が、人を殺す道具です」

と最初の発言を支持する声も少数ながら寄せられたものの、

「自己中心的な共産党の考え方の典型」

などといった批判的な声の方が圧倒的に多かった。

   一方、与党側はここぞとばかりに、この発言を激しく非難している。藤野氏が発言を取り消してから3時間が経過した20時過ぎ、安倍晋三首相のFBが反応した。安倍首相本人による書き込みなのか、秘書による書き込みなのかは必ずしも明らかではないが、藤野氏の発言について

「耳を疑いました」

と触れた上で、

「国民を守る為昼夜分かたず汗を流す自衛隊員やその家族に対する侮辱であり、憤りを感じます。もっとも志位委員長も『自衛隊は憲法違反、将来解散する。だけど災害時には活用するし防衛出動もさせる。』との趣旨をテレビで述べ顰蹙をかっています。そんなご都合主義が通るはずがありません。全く無責任です。あくまで共産党と共同歩調をとる民進党も同じです。この無責任な民進党、共産党に日本の未来を託すわけにはいきません」

などと共産、民進党を非難。さらに、このFBのコメント欄に安倍首相の名前でコメントが投稿され、

「共産党はやっと取り消したようですが、民進党反応無しですか?」
「どこまでもついて行くのですね」

と書き込み、両党を挑発した。

   6月27日付の機関紙「しんぶん赤旗」は、藤野氏が発言を取り消したという事実関係を淡々と報じただけ。民進党の前原誠司元外相(党ネクスト財務・金融相)は6月27日、埼玉県行田市内で記者団に対して「極めて悪質でひどい発言」などと話したが、民進党執行部は現時点では特段の反応を見せていない。

   過去の国会議員による自衛隊をめぐる発言では、2010年11月、民主党政権の仙谷由人官房長官(当時)が参院予算委員会で「暴力装置でもある自衛隊」と発言して批判を浴び、後に「実力組織」と訂正して謝罪したことがある。13年9月には、山本太郎参院議員が、自然災害の復旧現場でボランティア活動に参加していた際、現場の自衛隊の任務について「人殺しの訓練」と表現したことがツイッターなどで拡散され、批判が出たこともある。

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