共産党「人殺し予算」発言「取り消し」 「不適切だった」のはどこまで?

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   共産党の藤野保史政策委員長が2016年6月26日のNHK「日曜討論」で防衛費について「人を殺すための予算」と発言し、批判を受けて発言を取り消した。共産党関係者が公式の発言を取り消すのは非常に珍しく、ほとんどのメディアが取り上げた。

   ただ、番組の中では発言の訂正を求められても反論を試みたり、番組後に出したコメントでも、前提条件を付けずに発言したことを「不適切」な理由として挙げたりするなど、表現そのものを不適切だと考えているかどうかははっきりしない。

  • 発言を取り消した後も批判コメントが相次いでいる(写真は藤野氏のフェイスブック)
    発言を取り消した後も批判コメントが相次いでいる(写真は藤野氏のフェイスブック)
  • 発言を取り消した後も批判コメントが相次いでいる(写真は藤野氏のフェイスブック)

防衛費なのか、軍事費なのか

   発言は、正社員と派遣社員の賃金格差や、所得の再分配について議論する中で出た。自民党の稲田朋美政調会長と民進党の山尾志桜里政調会長が交互に発言し、その次に藤野氏が発言した。藤野氏は16年度予算で初めて防衛費が5兆円を超えたことを念頭に、

「軍事費が戦後初めて5兆円を超えましたけど、人を殺すための予算ではなくて、人を支えて、育てる予算を優先していくと...」

と主張した。稲田氏は横から

「そういうのは言い過ぎですよ、日本を守るためですから。全然あべこべ」

と発言を非難したが、藤野氏はそのまま発言を続けた。

   次に発言した公明党の石田祝稔政調会長は冒頭、

「まず、さっきの取り消した方がいいですよ。人を殺すための予算だなんてねぇ...それはねぇ、大問題ですよ」

などと「忠告」。藤野氏は「軍事費ですよ!」と反論したが、石田氏は

「自衛隊が違憲と言っている共産党だから分からなくもないんだけれども、人を殺す予算というのは、これは取り消したほうがいい、そう思いますよ。これは御党のためにいっておきますよ」

と続け、自民・稲田氏も「そうですねー」と同調。藤野氏は改めて「軍事費じゃないですか」と反発していた。

   それ以降も

「防衛予算を人を殺すための予算、というのは訂正したほうがいい」(おおさか維新の会の下地幹郎国会議員団政調会長)
「まず、人を殺す予算というのは、政治家の発言としてまずいと思う。国防というものは、国民の命を守るためにあるわけで、戦争はしないというのは、日本国民であれどの国の政治家も思っている。決して人を殺すわけではない。国民の命を守るために国防がある」 (日本のこころを大切にする党・和田政宗政調会長)

などと発言を非難する声が相次いだが、番組中で藤野氏が発言を訂正したり取り消したりすることはなかった。

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