「平均余命」に応じた定数配分という意見も
世代別の定数配分については、有権者の年齢に応じた正比例に加えて、もうひとつの考え方がある。一橋大学大学院経済学研究科の竹内幹准教授は、日経ビジネスのコラム「気鋭の論点」(2011年6月)の中で「平均余命」に応じた配分をすべきだとしている。
ある年代の平均余命は、基本的には若いほど長いので、若年世代の選挙区の定数が必ず増えることになり、新たな「1票の格差」の問題が懸念されるが、竹内氏は
「移行期を除けば、生まれた年にかかわらず、どの人も生涯を通じて同じだけの投票力を持つので、生涯を通じた『投票価値の平等』は担保される」
と指摘。
「今後、50年、60年に渡って日本の将来を担う世代の声が議会に強く反映されるべき」とし、世代別選挙区と平均余命による議席配分の導入を訴えている。