議員は世代別の利益代表者
まず、有権者を世代別にグループ分けする。たとえば18歳~30代を「青年グループ」、40~50代を「中年グループ」、60代以上を「老人グループ」とする。それぞれの「グループ」の有権者数に応じて定数を比例配分する。各グループが「老人区」「中年区」「青年区」といった選挙区になり、その世代の人たちが投票して代表を決める。立候補する側は年齢に関係なく、自らが政策を訴えたいと思う「区」に立候補する。
現在、日本の有権者数は約1億660万人。人口推計と照らし合わせると、青年グループに該当する有権者の割合はこのうち3割弱。中年グループは3割強、老人グループは4割と見込まれる。
「老人区」に与えられる定数はおのずと多くなるが、若年世代の棄権率が相変わらず高かったとしても、「青年区」からは人口に応じた一定数の代表が必ず選出される。そのため、将来世代の意向がこれまでより強く反映されやすくなるだろう。
「議員も世代別の利益代表という色彩が強くなりますから、世代間での利害調整が政治の場で透明性を持った形で行われやすくなります」
井堀氏は公益社団法人「日本経済研究センター」会長との対談記事(2015年)の中で、こう指摘している。
地理的な区分けを取っ払ってしまうわけではなく、たとえば、世代グループの議席数を、全国の小選挙区に割り振るという考えだ。グループごとに議席の定数が異なるため、各世代の小選挙区の地理的な境界は少しずつズレることになるが、「青年区の第〇区」といった通知で案内すれば特に混乱は生じない、と井堀氏はみている。