かゆみが出たら早めに医師の診察を
量が多いと感じていても、どこまでが適切な範囲でどこからが異常なのかがわかりにくいのも悩みの一つだ。特に年齢を重ねている場合は、尿もれと見分けるのも難しい。
中田先生「タンポンを膣に入れておりものシートやパッドを当てて体を動かしてみる。タンポンは乾いているのにシートが湿っていると尿もれ、タンポンは濡れるがシートには漏れていないならおりものであると考えられる」
排卵や生理がある女性のおりものの周期は、排卵の手前で量が増え、人によってはピンク色っぽくなったり、一筋の血が混じったりする。生理が始まる前には臭いが気になる時がある。
周期性があれば問題ないと考えられるが、ずっと量が多かったり、明らかに臭いや色がおかしい場合は、何らかの病気である可能性も。10日から2週間様子を見ておさまらなければ、婦人科にかかるとよい。
中田先生「子宮体がんは異常なおりものがある段階で受診すれば非常に治療成績がいいので、遅れず察知することが重要」
デリケートゾーンの痛みやかゆみが気になる人も少なくない。
吉木先生「かゆくなり始めたら、かきむしる前に婦人科や皮ふ科を受診するとよい。膣の中に異常がない場合は皮ふ科の扱いになる。毛が生えている部分がかゆい場合、脂漏性皮ふ炎が多い」
婦人科の病気で考えられるのは、「細菌性膣症」「トリコモナス膣炎」「カンジダ膣炎」だ。
細菌性膣症は、特定の菌が膣の中で増えて生ぐさい臭いを発する病気で、人によってはかゆみが生じる。トリコモナス膣炎とカンジダ膣炎はほとんどの人が刺激症状が強烈に出るもので、かゆみや痛みがあらわれる。トリコモナス膣炎は臭いが強くなり、カンジダ膣炎はカスカスしたものが出てくる。
カンジダ膣炎はカビが原因となるので、下着を乾燥機で乾かす、弱いアイロンをかける、紫外線を当てて干すなど、熱を当てて乾かすのが効果的な対策だ。下着だけでなく、家の中のカビを減らすことが、予防につながる。
下着に付いたおりものの汚れがなかなか落ちないのも悩みの種だが、洗面器いっぱいの水に「セスキ炭酸ソーダ」を小さじ1杯入れ、下着を入れて3時間つけ置きし、その後洗濯機で洗えば、その日のうちの汚れは落とすことができる。