血液検査で感染初期のウイルスは検出できない
しかし、たとえ入れ墨を彫っている人でも、血液検査すればウイルスがあるかどうかは分かるのではないか。日赤に問い合わせると、
「血液中の肝炎等のウイルスは現在の検査感度では、感染ごく初期の段階では検出できない」
と明かした。
ウイルス感染してから検出できるようになるまでのこの空白期間は「ウインドウ・ピリオド」と呼ばれる。たとえばHIV(エイズウイルス)のウインドウ・ピリオドは11日間。検査技術の向上により、大幅に短縮されてはいるものの「ゼロにはできない」という。
そのため、献血には慎重を期す姿勢が見える。背景には、献血が原因でウイルス感染してしまった過去の経験がある。日赤は2013年12月13日、HIV感染者から献血され、60代男性に輸血されて感染したと発表。「血清学的検査」と「核酸増幅検査」という二段構えで感染症検査を行ったものの、血液中のウイルスがごく微量だったため、検出できなかったという。以来、安全性の向上により一層取り組むようになった。
なお日赤では、タトゥー以外にも献血できない場合をウェブサイトで列挙している。たとえば「6か月以内にピアスの穴をあけた」人もあり、理由はタトゥーと同じ。他に「出血を伴う歯科治療をした」人も治療後3日間はできない。24時間以内にインフルエンザや破傷風などのワクチンを接種した人や、海外から帰国して4週間以内の人も「ノー」だ。種類にもよるが「服薬中」の人も断られる。