「ふるさと納税」の返礼品に「選挙権」
同じく故郷に投票する仕組みとして、「ふるさと納税」を活用した制度も提案されている。
国家戦略特区での民間企業支援を行っている企業「特区ビジネスコンサルティング」が、2015年10月に発表した公開提案書では
「一定額以上のふるさと納税を行った者に対し、その居住地に関わらず、当該自治体での選挙権および被選挙権を付与する」
としている。
ふるさと納税は個人が居住地に関わらず故郷や応援したい自治体に寄付する制度。都市圏に集中する税収の一部を地方に分散させることを狙ったもので、自治体に寄付すると2000円を超える分が所得税と住民税から減税される。寄付先の地方自治体は特産品など豪華な返礼品を用意しているため、事実上、「2000円払えば豪華な返礼品がもらえる」おいしい制度として注目されている。
この「返礼品」に選挙権と被選挙権を取り入れてみる――というのが、今回の制度だ。「代表なくして課税なし」とはアメリカ独立戦争のスローガンだが、居住地ではなく「納税」に着目した現行制度にはない仕組みである。
この提案はあくまで地方選挙を想定したものだが、国政選挙への導入も考えられる話だろう。ただその際は、組織票が集まらないようにするなど工夫が必要だ。