住民票のない故郷を「投票帰属地」に登録
では、地元を離れて住民票も別の地に移した場合、故郷の選挙に参加する道はないのか――。福井県知事の西川一誠氏は「ふるさと投票制度」と名付けた提案を行っている。
「不在者投票の際に提出する書類にならって『ふるさと投票登録』を行えばよい。申請して本籍地や両親・家族の生活の本拠地を投票帰属として選べるようにするのである」(情報誌「Voters」2014年10月発行)
つまり、投票は住民票のある現居住地で行うが、投じた票は事前に登録した本籍地などの故郷に届くという仕組みだ。不在者投票と同様、わざわざ帰省する必要もない。
単身赴任者や学生だけでなく、地元に愛着を持ち続けている都市生活者は大勢いるはずだ。西川知事は「ふるさと投票により都市から地方に有権者の意思が移動しうる。投票率の向上に役立つだけでなく、一票の格差是正策としても期待される」と主張している。