失敗例は、立ったままオシッコするので床が汚れて...
一方、失敗例の茅ヶ崎市教育施設課に聞くと――。同市では2001年に市内のある小学校で1か所だけ試験的にすべて個室化したが、2013年に元に戻してしまった。その理由について担当者は「男子の個室トイレ利用率が上がらなかったことと衛生面で問題が起きたこと」を挙げて、次のように語った。
「たとえ個室化しても、長く入っているだけでウンチだと分かり、からかわれてしまい、結局使わなくなったことが、アンケート調査で分かりました。また、子どもが便器に立ったままオシッコをするため、床が汚れて臭うという苦情も出ました。導入時に小さい方も座ってするように指導したのですが...。ハード(設備)だけでなく、ソフト(指導)も徹底しないと駄目だと分かりました」
結局、「小便器を復活させてほしい」という声が多く上がり、元に戻した。試験導入だったこともあり、再び実施する予定はないという。ただ、「校内の1か所しか変えなかったので、全部を一気に個室化すれば違った結果になったかもしれません」とも話した。
前出の大和市の担当者に、茅ヶ崎市の失敗例について尋ねると、「同じ県ですし、もちろん知っています」。その上で、こう語った。
「オシッコは男子も座ってするという指導を徹底していきます。(長く入っているだけでウンチだと思われると)人目を気にする子どもには、排泄の重要性と、学校でウンチをすることは恥ずかしいことではないと、根気強く教えていくのが第一です。茅ヶ崎の経験も踏まえて、注意深く見ていきます」