子どもの便秘が深刻化する中、「クラスメートにからかわれる」と、小中学校のトイレではウンチができない男子生徒の実態が浮き彫りになっている。そこで安心して用を足せるようにと男子トイレを個室化する動きが出ているが、果たしてそれで問題が解決するのだろうか。
神奈川県内には、大和市のようにこれから市立小中学校のトイレ改修工事を行ない、男子トイレの一部をすべて個室化する計画がある一方、茅ヶ崎市のように過去に個室化を導入したが、失敗に終わったところがある。J-CASTヘルスケアは両市の担当者を取材し、どうしたら「トイレ男子」が便秘の悩みを解消できるのか迫った。
自動洗浄やウォシュレットも導入、「ホテル並み」に
大和市教育委員会教育総務課によると、2006年頃から小学校19校と中学校9校で、トイレの改修工事を進めており、2016年度から順次、各校に1か所の「男子トイレ全個室化」を導入する。その個室化トイレは1階に作るそうだ。
担当者はこう語った。
「各校1か所だけにしたのは、小便器を使いたい子どももいますから、選択の幅を広げるためです。また、場所を1階にしたのは、誰もが通るところなので、登下校時や体育の前後、休み時間に外で遊ぶ時などに利用しやすいと考えました」
「トイレ男子」のビミューな心理に配慮したのだ。人目だけでなく、「暗い」「汚い」「臭い」の「3K」のために使いたくない子どももいる。そこで、トイレに入った途端に明かりがつく「人感センサー」や自動洗浄装置、ウォシュレットを導入したほか、便座は和式をなくしすべて洋式化。ちょっとしたホテル並みのゴージャス感になりそうだ。すでに工事を終えた学校では、トイレットペーパーの消費量が以前より増え、効果が表れているという。