「SEALDsの活動には大きな意義があった」
――国政選挙としては3度目のネット選挙を迎えました。SNSなどで発信する政党や候補者も増えていますが、若い有権者はこうした動きをどう見ているのでしょうか。
中村: 若者が政治や選挙の情報をネットで得ているかというと、そうではないと思います。ネット上での選挙活動が一般化したからといって、能動的に情報をキャッチしようとする若者の数が増えたとは思えません。そういう意味では、「ネット選挙」の解禁前後で、若い有権者の動きに大きな変化は出ていないように感じています。ただ、政党や候補者の発信する情報量が急増したことで、受け手のリテラシーが問われるようになったことは確かです。
――最後に、「SEALDs」についてお聞きします。このインタビュー連載では、同じ学生団体である「ivote東京」の代表にも同じ質問をしました。その際は、「若者の政治的関心は高まったのは確かだが、政治団体に『危ない』というイメージが着いたようにも感じる」という意見を聞きました。中村さんは、SEALDsの活動について、どう考えていますか。
中村: 私はポジティブに捉えています。若者たちが自分の考えを持ってアクションしたという事実は、結果はどうであれ素晴らしいことだと思います。私達の活動とは「枠組み」が違うことは確かですが、SEALDsの活動には大きな意義があったと感じています。
中村敦信さん プロフィール
なかむら・あつのぶ 福岡県生まれ。鹿児島大学教育学部在籍。1999年設立の学生団体「学生投票率100%をめざす会」会長に16年2月就任。鹿児島県選挙管理委員会と協力し、選挙啓発活動を続けている。