こんな投票できれば(2)【参院選2016】
子供も1票持つ「ドメイン投票」

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ドイツやハンガリーでは国レベルで議論

   日本と同じく少子高齢化が進むドイツでは、2000年代に入ってから2度にわたってドメイン投票の導入案が連邦議会で審議された。しかし、親が子の票を代理で持つ事で「1人1票の民主主義の原則に反する」「秘密投票に反する」といった反論があり、2回とも否決された。

   ハンガリーでも、2012年に施行された新憲法の草案段階ではドメイン投票をもとにした構想があった。しかしハンガリーでも反論が出て、最終的には盛り込まれなかった。

   現在、この方式を採用している国は見当たらないが、少なくともドイツとハンガリーでは、国レベルで真面目に議論されていることは注目される。日本でも一橋大学経済研究所の青木玲子教授らが実現に向けて研究を進めている。

   青木氏が2011年に実施したドメイン投票に関するインターネット調査では、未成年の子供がいる有権者の68.2%、子供がいない有権者では44.5%が同方式に賛成した。

   青木氏は調査結果をまとめた報告書の中で次のように述べている。

「歴史を振り返ると、普通選挙や女性参政権は、民主的に選択された選挙権の拡大である。どちらも当初はとんでもない改革であると思われていたにもかかわらず実現されたのは、当時の有権者が、自分たちの政治力が弱くなっても、選挙権の拡大によって実現できる政策が望ましいと判断したからである。現在の有権者の間にも、将来世代への選挙権拡大は、自分たちにとっても、望ましいことであるという考えが浸透すれば、それは実現可能である」

   今回の参院選から、投票者の年齢は20歳以上から18歳以上に引き上げられ、約240万人の有権者が増える。こうした動きの底流にも、世代間で異なる意見をなるべく多く政治に反映させようという考えがある。

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