「18歳選挙権」を聞く(中)【参院選2016】
候補者は若年層より同年代を狙いたがる
「勝つ!政治家ドットコム」・苅部学さん

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候補者が書き込む内容は「主義主張2、共感6、人柄2」がお勧め

――この3年でFBのページを持つ政治家も増えました。

苅部: 我々がサポートに入る場合、初心者の方にはまずは発信することに慣れるため「書きたいことから書く」ことを覚えてもらいます。その後、FBのシステムを理解し、特性を利用した投稿割合での投稿をお勧めしています。
これはまだ政治家の方々にはあまり知られていないことですが、FBで投稿をすれば必ず友達やファンのタイムラインに表示される訳ではないということです。
ここでは詳細は省きますが、表には見えないパラメーターである親密度などと言われるスコアを稼がないと、相手の手元に投稿した情報が届かないということが起きるのがFBのシステムです。
ごく分かりやすく言うと投稿に「いいね!」を付けてくれれば親密度が上がり、その人のところに情報が表示されやすくなる(タイムラインで表示されやすくなる)ことなどFBの特性を理解した上で「いいね!」をもらえるようにすることが重要です。
書き込む内容は、「主義主張2、共感6、人柄2」をお勧めしています。政治家は、主義主張や政治的メッセージを最も発信したがるものですが、それが過ぎると読者との温度差が生まれてしまうことがあります。「いいね!」をつけないということは、その人はその政治家の投稿を好んでいないとFBは判断し、別の人の投稿を優先して表示するなど悪循環が始まります。
「いいね!」を付けると逆にその政治家の投稿を好んでいるから優先して表示しようなどとなるわけです。本来のFBのあり方とは違うかもしれませんが、そういう特性を理解しておくのとおかないとでは効果が変わってくるのです。
システム的なものだけでなく、投稿をよく見ることになると心理的にも身近に感じるようになりますから、なかなかバカにできないと思います。
6割の「共感」は、写真を見ただけで「いいね」を押せるようなもの。「桜がきれいな季節になりました」「夏日なのでアイスクリームを食べました」といった具合です。そればかり投稿していても「仕事していないのではないか」と思われるので、バランスは難しいところではありますので、内容については実例を出しつつサポートをしています。最後の2割「人柄」は、読んで字のごとくですが、政治家ご本人を知ってもらえるような投稿をお願いしています。日本人はアメリカ人などと違って、政治的なものに公の場で賛同したり反対するのを控える傾向にあると思います。
そういったこともあって、政策を前面に打ち出すことよりも、まずはどんな人なのかを知って、そちらから興味を持ってもらうのが近道でもあったりします。例えば「いかつい顔をしていますが、実は趣味はあやとりです」といったパターンです。読者からすると「この人政策は難しいが、悪い人ではないから応援しようかな」とつながることもあるので、人柄を知ってもらうことはなかなかに重要です。

苅部学さん プロフィール
かりべ・まなぶ 株式会社ジェイコス取締役。大手不動産会社の営業を経て1999年Web制作会社へ入社。2005年にWebコンサルティングに特化したJCOSへ参画。取締役就任。業界歴10年の経験を活かし、大手メーカーを中心にWeb戦略をコンサルティングし顧客の業績アップを果たす。現在は政治家専門のWebコンサルティング事業を展開し、様々な政治家へWeb戦略のアドバイスを行っている。

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