こんな投票できれば(1)【参院選2016】
落としたい候補に「マイナス投票」

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マイナス投票の考え方に通じる「落選運動」

   現在では、導入事例は海外でも見当たらない。ただ、米国や韓国など、いくつかの国では「落選運動」が盛んに行われており、マイナス投票の考え方にも通じるものと言える。

   2000年の韓国総選挙では、約460もの市民団体が団結。不正腐敗に関係した政治家など102人をリストアップして公表し、政党に公認しないよう要請した。

   さらに市民団体は、選挙において86人の落選候補を公表。インターネットを駆使し、有権者に投票しないように呼びかけた。結果、59人落選という目に見えた成果をあげた。

   日本は公職選挙法で選挙運動について厳しい制限があるが、落選運動については、ネット選挙が解禁された2013年の改正公選法ガイドラインでも「何ら当選目的がなく、単に特定の候補者の落選のみを図る行為である場合には、選挙運動には当たらないと解されている」とされている。「落選させることのみが目的」であれば、選挙運動に規制はないわけだ。

   2015年には安全保障関連法の成立に反対していた学生団体「SEALDs(シールズ)」が「賛成した議員を落選させよう」と呼びかけ、注目を集めた。

   また、今回の参院選では、野党4党が32ある1人区すべてで支持する候補者を統一し、票を分散させずに対決することを決めている。安倍晋三首相はこれについて、6月19日放送の「NHK討論」で「ただ政権を倒すためだけに候補者を一本化している」などと批判したが、「マイナス投票」や「落選運動」に通じる動きを敏感に感じているともいえそうだ。

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