「18歳選挙権」を聞く(上)【参院選2016】
若者は投票に「不安」感じている
学生団体ivote東京代表・桑原稜さん

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メディアが騒いでいるほど、関心を持っている若者は多くない

――選挙権年齢の引き下げで、選挙や政治活動が変わると思いますか。

桑原: 選挙の結果が大きく変化するとは思いません。ですが、選挙権が引き下げられることによって、若者の感性に合った政策への関心が高まることに期待しています。例えば、夫婦別姓や性的少数者(LGBT)の問題などが当てはまるでしょうか。

――ivoteの活動では、大学生や高校生といった世代と関わる機会が多いと思います。「18歳選挙権」当事者の18~19歳の世代からは、どんな声が聞かれますか。

桑原: 「望んでもないのに(選挙権年齢を)下げられて困っている」という声が1つ。また、18歳に限らず「分かっていない自分が投票していいのか」という声もよく聞かれます。あと、メディアが騒いでいるほど、「18歳選挙権」に関心を持っている若者は多くありませんよ。「行かなきゃいけないんだろうな」くらいの考え方がメインじゃないでしょうか。「投票に行きなさい」「あなたの一票が変える」といった呼びかけを受けて、「怖い」と感じてしまう若者も多いようです。投票を大きいイベントと捉え過ぎているのか、票を投じることに対して「不安」だという訴えはよく耳にします。

――そうした若者に対し、ivoteではどのように投票を啓発しているのでしょうか。

桑原:まず、投票には「行かなくてもいいです」と伝えています。その上で、行かなかった場合は「自分に不利な政策が決まってしまうかもしれない」とも伝えます。つまり、投票は義務ではなく「権利」だと強調するんです。私達としても、あくまで自分の意思で投票に行ってもらいたいと思っていますから。
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