毎日の通勤が全国の旅に早変わり 伊能忠敬の気分で4万キロ踏破だ

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「ゆるぶら日本一周 伊能忠敬の歩数計」(リトルライト)

   「今日も同じ道、同じ風景を見て帰るのか...」。そんな日々に飽き飽きしているあなた。通勤通学の道を毎日歩くだけで、日本一周気分を味わえたら素敵ではないだろうか。

   江戸時代、自らの足で全国を回って測量し、日本地図を完成させた伊能忠敬。この偉人の行程を体感できるアイフォーン(iPhone)アプリがある。

  • 左下に「埼玉制覇まであと」と残り歩数の表示がある
    左下に「埼玉制覇まであと」と残り歩数の表示がある
  • 左下に「埼玉制覇まであと」と残り歩数の表示がある

「伊能忠敬ペース」1日1万3000歩は結構大変

   「ゆるぶら日本一周 伊能忠敬の歩数計」は、伊能が歩いた距離約4万キロ制覇を目指すアプリだ。歩数に応じて日本地図が徐々に完成されていく。ただし地図上の詳細な道のりをたどっていくわけではなく、都道府県単位で47マスを双六のように進むつくりだ。

   サッカーが趣味のJ-CASTヘルスケア記者(20代男性)は、歩くのも大好き。早速アプリをスマホにインストールしてみた。

   アプリを立ち上げると、「東京都」の文字と「東京制覇までの残り歩数」の表示がある。スタート地点の東京から全国を回っていく設定で、都道府県ごとにクリアするまでの歩数が設定されている。東京は3万9000歩。これを超えると隣県に移る。

   使い始めたら、あと何歩で「東京制覇」なのかが結構気になる。思い立ったときにアプリを見て、残りの歩数を確認する。1日7~8回は見ただろうか。しかし約4万歩の道のりはなかなか遠い。アプリでは「履歴」も確認できる。これまで日ごとに記録した歩数が、数値と棒グラフで並んでいる。

   ニクいのは「伊能忠敬ペース!」として、棒グラフの1万3000歩のところにピーッと赤い線が引いてあることだ。1週間で記者がこの歩数を超えたのはわずかに1日。実はその日は有給休暇を取り、諸手続きで都内をあちこち移動しなければならない特殊な日だったのだ。記録は1万4000歩ほどで、クタクタになって帰宅し、泥のように眠った。そして、伊能忠敬に思いをはせた。

「伊能さん、あなたは毎日このペースで歩いたのですか」

東京は4日で踏破、次は埼玉だが...

   アプリ導入後5日目の朝、出勤後にアプリを確認したら、いつの間にか東京を制覇していた。通知など特別な演出はなく、ひっそりと「埼玉県」の表示に。だが「この通勤中に、東京を踏破していたのか」――そう思うと喜びはひとしおだった。

   歩き終えた各都道府県については、アプリ上で名物、名所の豆知識が見られるようになる。47枚のカードが並んでおり、未制覇の都道府県には鍵の絵柄が描かれていて見られない。カードがコレクションされていく楽しみを味わえる。

   さあ埼玉へ。意気揚々と臨んだものの、制覇に要するのは7万8000歩。まさかの東京の2倍で、気が遠くなった。よくよく考えたら、東京都の面積は47都道府県中3番目に小さい。比較的楽にクリアできる「ボーナスステージ」だったのだ。

   日本地図完成まで、一体何年かかるのかと途方に暮れる。伊能忠敬は17年を要したという。負けじと記者は、今日も歩く。

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