千葉日報は、同紙の電子版「千葉日報オンライン」にある「情報の正確性を保証しない」「情報の欠陥が必ず修正されるという保証もしない」といった「免責事項」を「読者の誤解を招きかねない」として削除した。
こうした免責事項は、一般的にサイト管理者を不当な請求や訴えから守るため、様々なウェブサイトに掲載されている。ただ、千葉日報がマスメディアであるため、ネット上で「デタラメでも責任とらん宣言」「報道機関が掲げて良い免責事項じゃない」と厳しい指摘が相次いでいた。
「読者の誤解を招きかねない不適切とも言える表現」と謝罪
千葉日報オンラインは2016年6月20日、「免責事項」のページに「『報道機関として最善を尽くした上で』という大前提に立って記載した項目でしたが、読者の誤解を招きかねない不適切とも言える表現であった」といった謝罪文を上書きした。
なお、削除前のページには
「千葉日報社は『千葉日報オンライン』で提供された情報の正確性を保証いたしません。また、情報の欠陥が必ず修正されるという保証もいたしません。『千葉日報オンライン』上のコンテンツは、予告なく修正・変更・更新・削除などされることがあります」
と明記されていた(上書きで削除)。これが 6月19日ごろからネットで話題となり、ツイッターで
「新聞社としてのプライドもないらしい」
「デタラメでも責任取らん宣言」
「報道機関が掲げて良い免責事項じゃない」
と批判が上がった。20日、ネットの指摘を把握した同社は、幹部を中心に「ニュースサイトにおける免責事項の存在意義」について協議。「配信内容について報道機関として責任を全うすることは当然のことであり、情報の正確性に関する免責事項を掲げること自体の是非についても意見が飛び交いました」という状況の中、免責事項の削除を決定した。
J-CASTニュースの取材に応じた同社デジタル部門の担当者は 「免責事項を掲げていたからといって、今まで様々なご指摘を放っていたわけではありません」と説明しながらも「新聞社なら、趣旨が伝わらない文章を書いてはいけませんよね」と付け加えた。
大手マスコミサイトにも「免責事項」はある
そもそも、削除した「免責事項」は千葉日報オンラインの前身「ちばとぴ」時代のもので、06年ごろから掲載されていた。14年6月に千葉日報オンライン利用規約を制定した際、吸収統合されるはずだったが、現在まで残っていたのだという。
「当時を知る者は現在いませんが、(2006年当時は)やはりニュースサイトの報道について認識が追い付いていなかった部分もあったのではないかと思います」(同社担当者)
千葉日報オンライン利用規約内にも「当社は千葉日報オンラインについていかなる保証(サービスの機能およびコンテンツ等の完全性、正確性、有用性等を含みます)をする義務も負いません」といった一文があるが、こちらも「内容を精査の上、必要があれば追って改訂したい」としている。
ただ、大手マスコミの運営サイトでも、似たような「免責事項」が確認できた。「時事ドットコム」や「CHUNICHI Web」(中日新聞)、TBS、フジテレビ公式サイトなどは「提供する情報の内容は万全を期しておりますが」「様々な注意を払っておりますが」「作成時点までの信頼できると思われる各種情報、に基づいて作成されていますが」とただし書きを付けたうえで、「内容の正確性、有用性、安全性、その他いかなる保証を行うものでもありません」「内容を保証するものではありません」と明記している。