一番目立ったのは古市憲寿氏 「ネット党首討論」で小沢一郎氏怒らせる

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   インターネット企業10社の選挙プロジェクトの一環で、2016年6月19日20時から与野党9党首の「ネット党首討論」が開かれた。自民党の安倍晋三首相や民進党の岡田克也代表らが約80分間、経済政策や憲法改正などを議論した。

   その中でも特に目立っていた人物がいる。9党首の誰かではなく、司会担当の社会学者・古市憲寿氏だ。

  • ネット上には「司会に向いていない」という声も(写真は16年6月撮影)
    ネット上には「司会に向いていない」という声も(写真は16年6月撮影)
  • ネット上には「司会に向いていない」という声も(写真は16年6月撮影)

謝罪文渡され「読んだ方がいいんですか」

   討論開始後、約30分経った頃だった。「小沢さん、一度も手を挙げてらっしゃらないですね」と進行役のフリーアナウンサー・馬場典子氏から水を向けられた古市氏は、「生活の党と山本太郎となかまたち」の小沢一郎代表に次の質問をぶつけた。

「僕できれば小沢さんが再婚相手見つかったかどうか聞いてみたいんですけど」

   これには、取材していた報道陣から失笑が漏れ、場の空気を感じ取ったのか、古市氏は「ちょっと興味があって。最近どうされているのかなって」とトーンダウンした。しかし、当の小沢氏は

「興味でこういう討論をするもんじゃないんじゃないですか」

とかなり怒った。

   その約20分後、テーマは経済政策から憲法に移り、各党首が順番に話し終えると、馬場氏は「先ほどと同じように議論を展開していただければと思いますけども、その前に...」と古市氏に目をやった。すると、古市氏は1枚の紙を見ながら

「読んだ方がいいんですか?この通りに読んだらいいの?」

と、音読し始めた。

「先ほど小沢代表に対しまして大変失礼な発言をしました。発言撤回して、心よりお詫び申し上げます」。

   「読んだ方がいいんですか?」を気にしたのか、馬場氏は「若干、お詫びになってなかった気も致しますけれども。お人柄に触れてこそ政治が分かるというポリシーがありまして、本当に大変失礼致しました」と平謝りした。それでも古市氏は、「政策っていうのはマニフェストとかで分かるじゃないですか。こういう場があるってことは、人柄を見るのが1個の意味があるなと思ったんですね」という。これに対し、小沢氏は

「それは釈明じゃないの、あなたがたの。おかしい。こういう場でそんなことを言うなんて、どうかしてる。そんなこと党首討論と関係ない。お詫びするならお詫びするで、きちんとしなさい」

と、最後まで不機嫌そうだった。

ツイッターで「党首討論、よかったです」

   古市氏がこうした発言をするのは、今回が初めてではない。

   14年9月に第2次安倍内閣の閣僚に女性議員が5人抜擢された時、朝の番組「とくダネ!」(フジテレビ系)に出演して「何か女性議員の方って、誰とは言いませんけど、妖怪みたいな雰囲気の人が多いなって...」と発言した。16年1月放送の「ワイドナショー」(フジテレビ系)でも、タレントのウエンツ瑛士さんに「ハーフってなんで劣化するのが早いんでしょうね」と言ったのは記憶に新しい。

   今回の小沢氏への質問に対しても、ネット上には、古市氏を批判する声が多く寄せられた。

   フランス文学研究者の堀茂樹氏は「こんな子供を社会学者扱いするからいけないのです。この『氏』にとって『面白い』のは、普通の大人にとっては下らないわけでね」と一刀両断。文化人類学者の山口智美氏は「古市氏、これは最悪。ってこれに限ったことではないけれども」と呆れていた。

   その古市氏は「党首討論」で1度だけ、安倍首相に直接、質問していた。その質問がこれだ。

「18歳選挙権が始まりますが、海洋高校、水産高校の若者たちが船の上にいて、投票できないという問題が起こっています。大人の船員はファックスで投票できるけども、18歳の高校生はそれを想定していなかったということで。投票できない子どもたちがいるっていう報道がNHKであって。これって憲法違反状態に近いじゃないかなと思ってしまったんですけども」

   これに対し、安倍首相は「私はその事実を知らなかったんですが。すぐにですね、対応していけるなら対応したいと思います」と答えた。

   古市氏は、安倍首相から回答を引き出したことについて、翌20日0時過ぎになって、ツイッターで

「党首討論、色々ありましたが、とりあえず18歳にもかかわらず洋上にいて投票ができない高校生がいることを党首たちに伝えられたのはよかったです。これ、本当にどうにも何ないのかな。洋上投票自体は仕組みとしてあるんだから、どうにかしなきゃダメだよね?」

と満足した様子だった。

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