8回目を迎えたAKB48グループの「選抜総選挙」の開票イベントが2016年6月18日夜、ハードオフ・エコスタジアム新潟(新潟市中央区)で行われ、福岡・HKT48の指原莉乃さん(23)が、2位の渡辺麻友さん(22)に6万7000票以上の大差をつけて初の連覇を果たした。
指原さん個人だけではなく、所属するHKTの票も大きく伸びた。グループ別に見ると、地方グループでは名古屋のSKE48と大阪のNMB48が軒並みランクインするメンバーを減らす中、HKTは大幅に増えた。順位発表後のあいさつで、指原さんが自らの順位の次に言及したのが、HKT48のメンバーへの感謝だ。指原さんはメンバーがランクインするたびにハグやハイタッチでスピーチに送り出し、人目もはばからずに涙を流す場面もしばしば。「指原チルドレン」が着実に勢力を拡大している。
柏木由紀は5位に落ち、NMB山本彩が4位に
指原さんは15年より25%以上多い24万3011票を獲得し、17万5613票を得た2位の渡辺さんに大差をつけた。3位以降はSKEの松井珠理奈さん(19)が11万2341票、4位が大阪・NMB48山本彩(さやか)さん(22)の11万0411票だった。15年は2位だった柏木由紀さん(24)の得票は前年より45%近く少ない9万2110票にとどまり、5位に沈んだ。
指原さんは順位決定後のスピーチで、
「私はスキャンダルで仕事が増えたし、『スキャンダル成金』と思われてもおかしくない仕事っぷり」
などと自虐気味に語りながら、自らの順位は「私のファンのみんなが無理に無理に無理を重ねて頑張ってくれた1位」だとして、苦笑い気味に
「どうか私に、心からの『おめでとう』をお願いします」
と促した。場内から「おめでとう!」コールが起こると、
「いつかみんなみたいに『おめでとう』って言ってもらえる1位になりたいと思っていた」
と満面の笑みを浮かべていた。その次に指原さんが言及したのがHKTのメンバーについてだ。
「そしてHKTのメンバーのみんな。沢山上位にメンバーがなり、みんなのうれし涙に幸せをもらい、ランクインできなくても、メンバーの順位を素直に喜べるみんながいること、とっても幸せです。いつも、数え切れないほどの幸せを、本当にありがとう。グループのセンターになり、一桁の順位になり、どんどん大きくなっていくことが、私の心からの幸せです。みんながいるから頑張れます」
「議席争い」AKB首位奪還、HKTがNMBを抜き、2位SKEに迫る
総選挙では上位80人の入賞者の名前が発表される。今回から、最もランクインしたメンバーが多かったチームには新公演が書き下ろされ、ファン感謝祭も開催されるという「特典」がつくため、地域ごとの「議席争い」も注目ポイントだった。15年の総選挙では、SKEが26人、AKB48が23人、HKT48が15人、大阪・NMB48が14人ランクイン。SKEが初めてAKBを上回って「第1党」になった。
これに対して16年の総選挙では、AKBは若干復調して28人がランクインしたのに対して、SKEは20人、NMBは11人と減少した。HKTは15年より4人多い19人がランクイン。NMBを突き放し、SKEの背中が見えてきた形だ。それ以外にも開催地の新潟・NGT48からも北原里英さん(24)ら2人がランクインした。
初の「選抜」入りの兒玉遥もHKT
指原さんが発言した「グループのセンターになり、一桁の順位になり...」というのは、9位にランクインし、初めて上位16人の「選抜」入りした兒玉遥さん(19)を指しているとみられる。兒玉さんは15年の総選挙では17位。あと1歩で選抜に届かずに泣き崩れたという経緯がある。16年の総選挙では、指原さんは16位以上の発表が始まると兒玉さんの手を握りしめて励ましていた。これでHKTからは選抜入りするのは指原さん、6位にランクインした宮脇咲良さん(18)に続く3人目だ。SKEの2人とNMBの1人を上回った。
それ以外にも、過去の選抜総選挙ではランクインできず、今回初めてランクインした矢吹奈子さん(15、28位)、冨吉明日香さん(18、42位)、田中美久さん(14、45位)らの名前が読み上げられると、指原さんはガッツポーズやハグで我がことのように喜んだ。特に「なこみく」として知られる矢吹さんと田中さんは、HKTの楽曲では「選抜常連」にもかかわらず、加入から2年連続で圏外が続いていた。矢吹さんはこの点で「どうやったらメンバーやファンの皆さんに認めていただけるかな、ってすごい悩んだ」といい、16年の総選挙で念願のランクインを果たした。2人のランクインには指原さんも万感胸に迫るものがあったようで、2人の名前が読み上げられると、人目もはばからず目頭を押さえ、大粒の涙を流していた。