リニア時速500キロを体感 「飛行機より静か」だがトンネルが...

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   JR東海が東京-名古屋間で2027年の開業を目指すリニア中央新幹線が注目されている。安倍晋三首相が大阪延伸の時期を従来の2045年から前倒しする方針を表明。政府とJR東海は最大8年前倒しする方向で調整を始めた。政府が国債を発行するなどして、民間では資金調達が難しい事業に低利融資する財政投融資の活用が検討されている。リニア中央新幹線は時速500キロの営業運転の技術を既に確立している。東京-大阪間で約9兆円とされる建設費の資金手当てが整えば、大阪までの全線開業も夢ではない。

   果たして、時速500キロのリニア中央新幹線とはどのようなものか。JR東海が山梨県に敷設している実験線(笛吹市~上野原市、42.8キロ)で、営業運転を見据えた新型車両「L0(エル・ゼロ)系」に試乗した。JR東海は2009年7月に営業運転に必要な技術を完成させ、2014年8月から実験線で走行テストを繰り返している。

  • 山梨県の実験線を走るリニア中央新幹線の新型車両
    山梨県の実験線を走るリニア中央新幹線の新型車両
  • 時速500キロを知らせるリニア車内のモニター
    時速500キロを知らせるリニア車内のモニター
  • トンネルから地上に出るのは一瞬だが、流れる景色で時速500キロを体感できる。
    トンネルから地上に出るのは一瞬だが、流れる景色で時速500キロを体感できる。
  • リニア中央新幹線の車内は東海道新幹線の雰囲気と変わらない
    リニア中央新幹線の車内は東海道新幹線の雰囲気と変わらない
  • 山梨県の実験線を走るリニア中央新幹線の新型車両
  • 時速500キロを知らせるリニア車内のモニター
  • トンネルから地上に出るのは一瞬だが、流れる景色で時速500キロを体感できる。
  • リニア中央新幹線の車内は東海道新幹線の雰囲気と変わらない

現行新幹線の300キロ前後のスピードが、とても遅く感じる

   まるでボーイングかエアバスのジェット旅客機に乗っているような感覚だった。新型のリニアモーターカーは時速160キロまでは専用のタイヤで走行。ここからタイヤを格納し、超電導の浮上走行が始まる。まるで飛行機の離陸のようだ。車両に搭載した超電導磁石と地上のガイドウェイ(軌道)に設置したコイルの磁力によって、車両は約10センチ浮上したまま加速する。

   加速は極めてスムーズだ。大きな騒音も振動もなく、車内前方に設置されたモニター上のスピードメーターがみるみる上昇していく。リニアモーターカーは一瞬、時速502キロに達した後、500キロで安定した巡航を始めた。何の不安も緊張もない。車内は飛行機より静かで快適。乱気流で揺れることもない。

   惜しむらくは、リニア中央新幹線の全区間の86%はトンネルであることだ。このため時速500キロを体感できるのは、地上に出た一瞬だけ。トンネル内ではまるで夜間の飛行機に乗っているようだ。

   リニアモーターカーが停車駅に近づき、減速を始めると、わずかに減速G(重力)を感じる。500キロを経験すると、現行新幹線の300キロ前後のスピードが、とても遅く感じる。みるみる減速して140キロくらいになると、今度はタイヤが出て、軌道を走るようになる。まるで飛行機が着陸する感じで、ここでは明確なショックがある。

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