【チョイス@病気になったとき】(Eテレ)2016年6月11日放送
「今から始めよう!熱中症対策」
暑くなってくるこの時期、心配なのが「熱中症」。死亡者数がこの20年で26倍に急増している、なめてかかると恐ろしい病気だ。
特に暑い年では、7月初旬から患者数が爆発的に増えている。早いうちに対策を始めておけば、夏本番を元気に過ごせる。
運動後30分以内に牛乳1杯飲もう
熱中症は運動中に起こるイメージがあるが、意外にも熱中症予防に効果を発揮する運動がある。「インターバル速歩」だ。
3分ゆっくり歩いた後に3分早歩きし、ゆっくり3分、早歩き3分...と繰り返していくもので、無理なく体に負荷をかけることができる。
信州大学スポーツ医科学・能勢博教授「暑さに慣れていないと、ものすごく体温が上がってからでないと汗がかけない。大量の汗をかくと、体の表面から蒸発せずにポトポト落ちてしまう。その汗は『無効発汗』といい、体温を下げる効果がほとんどない。タオルで汗を拭いても無効発汗となる。汗は皮ふの表面から蒸発してやっと効果を発揮する。ほんのり汗をかく程度の運動が一番効果的」
運動後30分以内にコップ1杯の牛乳を飲むと、より効果的だ。牛乳に含まれているタンパク質は脚の筋肉を太くするのだが、太い筋肉は多くの水を蓄えていて、いくらでも汗をかける。筋肉を太くすることで暑さに強い体が作られ、熱中症対策につながるのだ。筋肉の合成が盛んに行われるのは運動後30分~1時間以内と言われているため、早めに牛乳を飲むのがポイント。牛乳が苦手という人は、ヨーグルトやチーズなどの乳製品でも効果がある。
インターバル速歩には血圧を下げる、コレステロール値を下げる、体重や体脂肪、中性脂肪を減らす効果もある。
体に負担をかけすぎないために、気温は25度以下の時にやってみよう。最初は1回15分程度を目安にして目標は30分、週3~4日行うとよい。10日から2週間続けると血液量が増え、体温調節機能も上がってくる。
外に出るのがおっくうだという人は、「椅子つかまりスクワット」を試すとよい。
足を肩幅に開き、転倒防止のため椅子の背もたれにつかまる。3秒かけてゆっくり腰を下ろし、ひざを90度に曲げた状態で5秒間静止し、元に戻る。これを朝夕10回ずつを目標に行う。無理をしすぎないのが大事なので、きついと思ったら10回に満たずにやめてもOKだ。