レディースデーや女性専用車両は、「女尊男卑」のサービスなのか――。女性声優の橘田いずみさんが投稿した、「レディースデーとかの女性を尊重するのって疑問」というツイートが、ネット上で議論を呼んでいる。
これまでも「女性専用サービス」をめぐる議論は数多く起きていたが、今回は当の「女性」から声が上がったことで、再び議論が過熱したようだ。ツイッターやネット掲示板などには、「何でも女性が有利なのは異常」「本質的に男性優遇は残ってる」など激しい意見が飛び交っている。
「本質的に男性優遇はけっこう残ってる」との指摘も
「探偵オペラ ミルキィホームズ」シリーズの出演で知られる橘田さんは、2016年6月15日夜のツイートでまず、自身が出演するイベントについて「当選の男女比は応募数の割合そのままにしてもらった」と報告。その上で、
「私レディースデーとかの女性を尊重するのって疑問感じるんだよね。男尊女卑には文句言うのに優遇されたら当たり前でしょって態度の女性」
と持論を展開した。「メンズデーも作ればいいのに」とも続け、女性だけを「優遇」するサービスに疑問を投げかけた。
このツイートを受け、ネット上では、「なかなか女性側からは出ない考え方」「好感度狙いの発言にしか聞こえん」と賛否両論の意見が相次いだ。また、そもそも「メンズデー」は存在している、との指摘も上がっていた。
その後、話題は橘田さんの投稿自体からは徐々に離れ、「ジェンダー問題」自体をめぐる議論に発展した。ツイッターやネット掲示板には、
「本当にその通りだと思う。何でもかんでも女性が有利なのは、はっきり言って異常」
「問題なのは女性専用車両 なぜ同じ金額を支払ってるのに女性だけが優遇されるのか」
「サービスとか以外でも本質的に男性優遇はけっこう残ってる」
「男尊女卑な社会なので、一企業が女性客に来て欲しいからやってるサービス程度が『女性優遇』にみえたりしてしまうのでしょう」
など、様々な意見が出ることになった。
メンズデーを創設、その後廃止の会社も
ただ、橘田さんが挙げた「レディースデー」に関しては、企業の「戦略」に過ぎないと訴える声も目立った。具体的には、「レディースデーなんてただの販促企画だろう」「企業利益の為にやってるから問題無い」といった意見だ。
公認会計士の柴山政行氏がビジネス情報サイト「プレジデントオンライン」に寄稿した14年9月のコラムでは、「平日にメンズデーを設けても、仕事で忙しいビジネスマンが多く、大した集客効果は見込めない」と指摘。そのほか「女性のほうが総じて価格変化への対応が大きい」などの理由を挙げ、企業が「女性を優遇するサービス」に積極的な理由を解説していた。
レディースデーとメンズデーの両方を実施していた「TOHOシネマズ」は、16年4月22日にメンズデーの廃止を発表。同社担当者は5月16日のJ-CASTニュースの取材に、
「利用者数が私どもの期待水準に届かなかったのが一番の理由」
と廃止の理由について話していた。