「先ほど長妻さんが甘利さんのカネのことを『とんでもない』とか言ったが」...
だが、民進党にとって甘利氏の問題を追及することは「ブーメラン」のリスクをはらむ。6月15日にあった参院選向け公約の発表会見でも、きわどい一幕があった。長妻昭代表代行が、舛添氏、甘利氏の名前を出しながら、公約で企業団体献金を禁止する法律を定めることに触れたが、その後の質疑応答で記者が
「先ほど長妻さんが甘利さんのカネのことを『とんでもない』とか言ったが、山尾さんのガソリン代のことも、全然釈明されていない」
と指摘。「ガソリン代のこと」とは、山尾氏の政治資金から不自然に多いガソリン代が支出されていたと週刊新潮が指摘したことを指す。山尾氏は4月6日の会見で、元公設秘書が架空の経費を計上していた疑いを指摘したが、山尾氏は元公設秘書側の言い分を聞かないまま会見に臨んでいた。その後、山尾氏・元公設秘書の双方が弁護士を立てて調査を進めているが、6月15日の段階でも、
「今、ご説明申し上げることができるのは、それぞれ弁護士を立てて、今、協議をしている最中であって、その結果、あるいは顛末が、どういった形になったかということは、しっかり話していける状況になってご説明したいと思っている」
などと従来の説明を繰り返し、協議の結果が発表できるメドについても明らかにしなかった。甘利氏よりも期間は短いが、山尾氏も2か月以上にわたって説明を避けている状態だ。
この状態には、他の野党からも批判が出ている。おおさか維新の会の馬場伸幸幹事長は6月15日の記者会見で
「いつになったらきちっと説明していただけるのか」
などといら立ちを見せていた。