政治資金の「公私混同疑惑」など一連の疑惑で批判を集めた東京都の舛添要一知事の辞職が正式に決まった。2016年6月15日午後に開かれた東京都議会の本議会で、同日午前に出された辞職願が全会一致で同意された。
本議会の閉会直前、挨拶に立った舛添知事は「任期途中で辞任することに反省と心残りの念はつきないが、みずからの不徳のいたすところだ」などと話した。約2分間と短いあいさつが終わると、議場は拍手に包まれた。
「一都民として東京の発展を心から祈ります」
舛添知事の辞任を受け、予定開会時刻から約4時間遅れの17時前に開会した本会議。だが、資料の差し替えや確認などを理由に、開会直後から1時間超の休憩に入った。結局のところ、議事が本格的にスタートしたのは18時10分頃だった。
議会の閉会間際に発言を許された舛添知事は、「東京を世界一の都市にしようと、私なりに全力を尽くしてまいりました」と切り出した。続けて、「東京防災」などの具体例を挙げて「一定の成果はあったと思っております」と述べた。
続けて、辞職を決意した理由について、
「リオ五輪・パラリンピック前の(都知事)選挙は次期開催国として相応しくない。避けたいと思っていたが、これ以上都政の停滞を長引かせることは私としても耐えがたく、身を引く決意をいたしました」
と説明した。
最後に、「これからは一都民、国民として、五輪の成功と東京の発展を心から祈ります」と述べて頭を下げ、約2分の挨拶を終えた。
直前には「どうなっているんだ!」激しい野次
同日の本議会では与野党ともに「徹底追及」の構えを見せていただけに、舛添知事に送られた「拍手」に違和感を覚えたユーザーもいたようだ。とくに、共産党などが求めていた「百条委員会」の設置が否決された際には、議場では「どうなっているんだ!」など激しい野次も飛んでいた。
そのため、この温度差に、ネット上では、
「舛添要一最後の演説終わり、議場から拍手...? ビックリだった」
と呆れるような声がいくつも上がっていた。
舛添知事は引き継ぎなどの残務処理を終えた後、6月21日に正式辞職する予定。