静岡県の川勝平太知事は2016年6月14日の定例会見で、公費で宿泊代を支払った海外出張72泊のうち54泊が県条例で定める規定額を上回っていたことを明らかにした。
知事の宿泊費は国家公務員旅費法に準じて条例で定められており、訪問地域によって上限が異なる。アジアや中南米は、最も安い1万7400円。英ロンドンや米ニューヨークなど主要10都市は最も高い2万9000円だ。
川勝氏は2009年7月の就任から16年3月末までの海外出張で、宿泊代を公費で支払った72泊のうち4分の3にあたる54泊が規定を超えていた。
公務上必要な場合は規定額超えても実費支給できる
ただし、条例では公務上必要な場合は規定額を超えても実費支給ができると定めている。54泊の中には、主催者側にホテルを指定・推薦されたケース、国際イベント開催中で宿泊費が高騰したケースが少なくなかった。
その上で川勝氏は、8月のリオデジャネイロ五輪に合わせて予定していたブラジル出張について「行くべきでない、というのが今の結論」と現時点で見合わせる方針を示した。規定額の1泊1万7400円を大幅に超える1泊8万円のホテルしか確保できないことが見込まれたためだ。
川勝氏は国の基準が現在の海外事情に合っていないことを指摘しながらも、「ルールは守るべき」とした。