家でもできる「タッチケア」の方法
認知症を患っている大泉富子さんは、徘徊の癖があり、実の娘の介護も乱暴な言動で拒絶してしまうこともあった。ところが、友人から紹介されたタッチケアを、娘が富子さんに毎日10分、1週間続けたところ、乱暴な言動はすっかり減り、何と徘徊もなくなった。
不安やストレスの軽減も期待でき、東日本大震災や熊本地震の避難所でもタッチケアが効果を発揮している。
タッチケアには特別な勉強などは不要で、家庭でも手軽にできる。
まず、受ける側はいすの背やテーブルにもたれ、楽な姿勢を取る。タッチする側は両手の手のひらを相手の背中にぴったり付け、背中全体をなでる。1秒間に5センチ動かす程度のゆっくりとしたペースで、手のひらでアイロンをかけるようなイメージで行う。1回10分が目安だ。
一人暮らしなどで身近にタッチケアをしてくれる人がいない、という人は、電話などで、信頼できる、好きな人の声を聞くだけでもオキシトシンが出る。
その際、抱き枕などを抱きしめながら声を聞くと、相手の存在を近くに感じ、より効果が得られる。