早産児に母親の歌声を聞かせると言語脳が大きく
母親の声の偉大さは、赤ちゃんの時から始まっている。2010年にカナダ・モントリオール大学が発表した研究によると、生後24時間以内の新生児の脳波を調べると、母親の声とほかの女性(看護師)の声を聞き分けていることがわかった。しかも、この研究では、母親と似た声の看護師を選び、赤ちゃんが胎内にいる時から定期的に母親と会話を交わし、看護師の声を聞かせていたから、まったく「初めて聞く声」ではない。それでも赤ちゃんは、生まれた瞬間から母親の声を認識しているのである。
2015年に米ハーバード大学が発表した研究によると、母親の声は早産児の脳の発達を促すという。早産児は聴覚や言語能力が不十分になりがちだ。21人の早産児を2つのグループに分け、一方に母親の歌声と心臓の鼓動を聞かせ、一方に通常の病院施設の音を聞かせた。その結果、母親の歌声を聞いて成長した赤ちゃんは、そうでなかった赤ちゃんに比べ、脳の聴覚皮質の発達がよかった。音を聞いたり、言葉を覚えたりする領域だ。
お母さんの優しい声がどれだけ子どもの脳の発達に役に立つか。お父さんもあきらめずにぜひ声をかけてあげると、いいことがきっとあるはずだ。