ツキノワグマ、人を食べ物と認識か 「極めてまれ」な事態が起きた理由とは

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親子連れなどだった可能性も

   クマの生態に詳しい岩手大学農学部の青井俊樹名誉教授は、取材に対し、次のように話す。

「北海道のヒグマは、開拓時代によく人を襲ったと聞いていますが、近年はほとんどありません。それほど肉食タイプではなく、ここ数年は聞いていませんね。ツキノワグマについては、極めてまれで、今回はかなり異例のことだと思います。30年ほど前に、山形県で3人が襲われて亡くなったとき、クマの胃の中から着衣の一部が見つかったと聞いており、それ以来ではないでしょうか」

   新聞記事を見ると、1988年に戸沢村でクリ拾いなどをしていた3人がオスのツキノワグマに襲われ、相次いで死亡している。村や山形県に取材すると、記録はないものの、射殺されたクマの胃から着衣が見つかったり、亡くなった人の足が引きちぎられたりしたという情報はあったそうだ。

   青井名誉教授は、今回のケースについて、クマがたまたま体の一部を食べるなどして食べ物と認識した可能性はあるかもしれないと指摘する。

「4人の方が亡くなった場所は、2キロの範囲内にありますので、同じクマが襲ったことは十分ありうると思います。亡くなった女性には、2頭分の傷があったと聞いており、親子連れなどだった可能性があるでしょう。今後もクマに人が襲われる可能性もゼロではなく、注意する必要がありますね」
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