東京都の舛添要一知事の進退をめぐっては、2016年6月14日付の朝刊(東京本社最終版)では、朝日・産経の2紙がそろって1面トップに「辞職不可避」の見出しを掲げた。「辞めるか」ではなく「いつ辞めるか」の段階に入ってきた。
6月13日の集中審議では、不信任案が可決された場合は「いずれにしても選挙ということになる」として、リオ五輪への対応を理由に「少しの猶予をいただきたい」と主張。これが「脅し」だと受け止められ、結果的に不信任案可決への流れを後押しするという「自爆行為」になってしまった。すでに都議会自民党は不信任案を提出する方針を固め、舛添氏に残された選択肢は「辞職」と「解散」の2つにまで絞られている。仮に解散したとしても、改選後の議会から再び不信任される可能性が高く、リオ五輪への出席はかなわない可能性が高い。
選挙とリオ五輪が重なると「公益にそぐわない」?
舛添氏は集中審議の最後で、自ら不信任案について切り出したが、それがかえって逆風を強めることになったようだ。舛添氏は、
「もし私に対する不信任案が可決された場合には、法律上は私が辞任するか、ないしは議会を解散するかという選択を迫られる。そうすると、いずれにしても選挙ということになる。その選挙の時期がどうしてもリオの五輪・パラリンピックの時期に重なる」
などとして、選挙の時期とリオ五輪の時期が重なることが「公益にそぐわない」と主張。自らの給与全額カットを掲げながら
「少しの猶予をいただきたいと思っている。それは私が知事の座に連綿としてしがみつく、そういうことではない」
と話すと、議場から失笑がもれた。この発言はさらに野党議員からの反感を強めることになった。例えば無所属の音喜多駿(おときた・しゅん)議員は、
「最後の舛添知事発言の要約をすると、『給与100%カットするから、おまえら不信任案出すなよ。いま出したら議会を解散するからな!』ということで、しおらしく述べたように見えて半ば議会に対する脅しであり、議会に介入する知事の越権発言です。なんて知事だ...!」
とツイート。怒りを加速させた。