舛添要一・東京都知事(67)の「政治とカネ問題」をめぐるゴタゴタが続く中、「選んだ都民の自業自得」と主張する人物がいる。元フジテレビアナウンサーの長谷川豊氏(40)だ。
自身の連載コラムの中で、都民に対し「いい勉強じゃないですか」「税金を食い物にされて当然」と厳しい言葉を投げかけており、インターネット上でも議論を呼んでいる。
大阪の現状と比較
話題の記事は「舛添さんを選んだのは東京都民の皆さんです」というタイトルだ。2016年6月11日、ポータルサイト「goo」に掲載された。
舛添氏をめぐっては、豪華な海外出張や公用車の私的使用に加え、参議院議員時代の政治資金の私的流用問題が指摘され、批判の声が高まっている。
しかし長谷川氏は、これを「いい勉強じゃないですか」と指摘する。ここで例に出したのは、橋下徹氏(46)が長らく指揮をとっていた大阪府(大阪市)の府民(市民)の態度だ。
曰く、大阪ではここ8年の間に政治に対する関心が非常に高まり、人々は「街を歩いてても、かなりの知識とともにインタビューにも応えてくれる」「自分たちが(政治を)監視するんだってちゃんと自覚している」という。
「大阪でもし、舛添さんと同じこと、一つでも橋下さんがやってみ?メディア、袋叩きですぜ?大阪のおっちゃん・おばちゃん、暴れまくりますぜ?」
長谷川氏はその上で、「東京都民の皆さん、そこまでちゃんと監視してましたか?」と問いかけ、「してなかったのであれば、税金を食い物にされて当然です」「東京都民、自業自得ですよ」などと切り捨てた。
「くやしいが正論すぎる」の声も
反論の中で目立つのは「では、あの都知事選挙で誰に投票すれば良かったの?」というもの。
2014年の都知事選に出馬したのは、舛添氏の他は、元日弁連会長の宇都宮健児氏(69)、元首相の細川護煕氏(78)、元航空幕僚長の田母神俊雄氏(67)=年齢はいずれも現時点=ら。「消去法だった」「仕方がなかった」と感じている人は少なくないようだ。
ちなみに投票率は46.14%。舛添氏の投票したのはこのうちの43.40%=約211万人だ。これは、当時の有権者の約20%だった。
「監視すべき」という意見への疑問も上がっている。都知事選以前にも、週刊誌などでは舛添氏の婚外子問題などが報じられていたものの、新聞各社を巻き込むほどの目立った批判はなかった。国会議員時代の政治資金の私的流用疑惑は今でこそ騒がれているが、選挙当時、一都民がこれにたどり着くのは至難の業だ。そのため、
「権力の監視はマスコミの仕事のはず」
「知事やる前と後で180度言動の違う人間の何を見抜けと...?」
「無茶言うなよ、まさか政治資金を悪用するヤツだとはマスゾエが嫌いで票をいれなかった連中もわからんかっただろ」
といった反論も上がっている。
ただ、「本来は都民が責任を果たしリコールをすべき」「わかってる。だから辞めさせようとしてるんだよ」と理解を示す人も多い。
長谷川氏といえば、何かと過激な主張をしては物議を醸してきたが、今回ばかりは「くやしいが正論すぎる」「まぁその通りだな」「同意せざるを得ない」と、意見を同じくする人々が相次ぐ「珍しい」展開を迎えている。