女性社員のプレビューでも「ネガティブな意見は出なかった」
16年6月14日、J-CASTニュースの取材に応じた佐藤製薬の担当者はサイト閉鎖の理由について、こう明かす。
「開設後あまりアクセスも伸びず、広告効果が期待できないと判断したからです」
キャンペーンを始めたきっかけは、鎮痛剤の差別化。同社はバイエルアスピリンの他にもう1つ、「リングルアイビー」という女性利用者の多い鎮痛剤を取り扱っている。そのため、「バイエルアスピリンは男性ユーザーをメインターゲットにしたい、というブランド戦略上の必要性」があった。
そんな中、広告代理店からの提案に乗る形でキャンペーンは始まった。結果的にサイト閉鎖を決めたものの、それはあくまで「広告効果が期待できない」と踏んだからだ。
担当者はネット上の批判について「貴重な意見と考えるが、意外な一面もあった」と驚いた様子で話す。サイトの内容に関して同社に寄せられた反応は、閉鎖後の電話1本だけ。公開前に実施した女性社員のプレビューでも「ネガティブな意見は出なかった」という。ネット上での批判の声はまさに「寝耳に水」だったのかもしれない。
最後に、バイエルアスピリンに関する今後のプロモーション方法を聞くと、
「広告ビジュアルも男性モデルを使っていますし、今後も男性ユーザーをターゲットにすること変わりありません」
と答えた。ちなみに、再生回数が増えると表示される「スペシャルシチュエーション」は、サイト閉鎖で「お蔵入り」になったという。