「処分は受け入れられない」と争う姿勢
シャラポワは引き下がらない。
「処分は受け入れられない」
自らのフェイスブックで態度を鮮明にした。その上で検査から処分までについて闘うことを宣言した。スポーツ仲裁裁判所(CAS)への異議申し立てを行うことを表明している。
「早くテニスコートに戻りたい。そのために闘う」
処分はそれほど重いものではない。指摘された禁止薬物については、意図的な使用の場合は最大4年間の出場停止だが、今回はそれにあたらないとして半分の長さとなった。
シャラポワは現在、29歳である。処分が終わったときは31歳(1月末の処分明け直後の段階では30歳)。この年齢と、停止期間中に獲得ポイントを失うことでランキングが下がり、そこから再び上位に上がることは厳しい。
「こんな形で現役を引退したくない。なんとか復帰するチャンスを望んでいる」
こう悲壮な決意を語るシャラポワは、デビューして以来、その美貌から「コートの妖精」と呼ばれた。容姿とは裏腹な激しいプレーとも相まって人気は高まり、ナンバーワン選手となった。
いまはそこから滑り落ち、「妖精が陽性に化けた」とのブラックジョークのなかにいる。
(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)