「○○ちゃん、食べすぎよ。だから、そんなにコロコロ太っちゃうのよ」。小さい頃に親から体重のことでとやかく言われた経験のある女性は、おデブちゃんはもちろん、たとえ標準的な体形の人でさえ、成人後に自分の体重にコンプレックスを抱えた女性になることがわかった。
米コーネル大学のチームが米栄養学誌「Eating and Weight Disorders」(電子版)の2016年6月1日号に発表した。研究者は「親が女の子の体重に口を出しても良いことは何もない」と警告している。
親のひとことが自分の体を愛せない女性にさせる
研究チームは、女性が成長過程で自分の体についてどんな意識をもっていくかを探るために、20~35歳の健康な女性501人に詳細なインタビューを行なった。現在の身長・体重、子どもの時の体型、現在の自分自身のボディーイメージなどを尋ねるとともに、小さい頃に親が自分の体重について、どんな言葉で、どのくらいの頻度で批評していたかを思い出してもらった。その結果、次のことがわかった。
(1)子どもの頃に自分の体重について、両親から何か言われた覚えのある女性は、現在肥満である率が高い。
(2)現在普通体重の女性は肥満の女性に比べ、子どもの頃に自分の体重について親から何か言われた経験が27%少ない。
(3)普通体重の女性は肥満の女性に比べ、「食べる量が多すぎる」と注意された経験も28%少ない。
(4)しかし、子どもの頃に自分の体重に関して親から何か言われた覚えのある女性は、現在肥満であるか普通体重であるかにかかわらず、自分の体重に満足している率が非常に低い。
成人後に肥満になった女性は、子どもの頃から太っていたから、両親に体重のことであれこれ言われることが多いのだろうと推測しがちだ。しかし、研究チームは、(4)の結果に注目した。現在、健康的な体型の女性でも小さい時に親から言われた言葉が、自分のボディーイメージに悪影響を与えているのだ。また、親から非難された言葉がきっかけで、肥満になった可能性も否定できない。