目隠しされた同性愛者を屋上から突き落とす
一方で、ISの同性愛者に対する扱いも苛烈だ。15年3月上旬には、英国のNGO「シリア人権監視団」が同性愛者に対する処刑が行われていることを指摘。処刑はISが首都だと主張している「ラッカ」西部の都市で行われ、後ろ手に縛られて目隠しをされた25~30歳の同性愛者の男性を100フィート(約30メートル)の建物の屋上から突き落とすという内容だ。男性は落下しても即死はしなかったが、処刑現場を見物していた群衆から石を投げつけた後に絶命したという。英ガーディアン紙によると、15年1月と2月下旬にも、同性愛者に対する同様の処刑が行われたという。
15年6月には、イラク北部の都市モスルで同性愛者3人の処刑の様子を収録した映像が公開された。ISが組織的に同性愛者を敵視していることが分かる。
15年8月には、国連の場でもこの問題が取り上げられた。ISから逃亡してきたというイラク人の男性が、国連安保理の会合に電話で
「我々の世界ではゲイであるということは死を意味する。住民は我々のことを邪悪だと思っているので、(ISが)ゲイを殺害すると住民の大半が喜ぶ。そして(IS)は高い信用を得る」
などとコメントを寄せている。
マティーン容疑者はこうしたISの動きを知っていたのか。