東京都の舛添要一知事の政治資金問題をめぐる珍妙な答弁は、2016年6月12日朝の情報番組では半ば失笑気味に紹介され、出演者からも「大喜利みたい」「漫才になる」といった声が相次いだ。
舛添氏の答弁がすっかり「ネタ」として扱われている形だが、演出家のテリー伊藤さん(66)が「笑いごとじゃないよ!」と怒りをあらわにする一幕があった。
肩が引っかからないためには「袖がない服を着ればよいのでは?」
舛添氏は6月10日の定例記者会見で、政治資金で購入したシルクの中国服は「肩が引っかからずスムーズに書道ができる」などと改めて主張。記者が「袖がない服を着ればよいのでは?」と突っ込むと、舛添氏は「気温が低いときには(袖がない服は不適切)」などと反論していた。
6月12日朝放送の「サンデージャポン」(TBS)でも、この様子が「大喜利のよう」だとして盛り上がった。
壇蜜さん(35)は、会見を「面白い言い訳を言い合う大会に見える」とバッサリ。
「それに注目しちゃって、『この人何悪いことしたんだっけ』と考え直させられて、時間ばかりがすぎていく」
などとして、「面白い言い訳」ばかり注目されることの問題を指摘。NON STYLEの井上祐介さん(36)は、「僕が隣にいたら、漫才になる」と話し、スタジオの笑いを誘った。
爆笑問題の太田光さん(51)も「舛添さんが中国服で書道をしているところを想像するだけで面白い」と加勢。井上さんも「筋肉がというけど、そんなにあるかな?という感じ」と応じ、総じて「ゆるい」やり取りが展開されていた。
和田アキ子も「この人は笑えない」
それをテリーさんが「笑いごとじゃないよ!」と一喝。問題の中国服が、東日本大震災が発生した翌日の2011年3月12日に購入されたことについて「(震災の翌日に)買えますか?」と声を荒らげて怒りをあらわにした。続けて、別荘の売却や給料の減額などについても「計算づくの策略」だとして「すごく醜い」と切り捨てた。
テリーさんは、東国原英夫・元衆院議員(58)に対しても、「来たんだったら、おもしろおかしく話すんじゃなくて...(真面目に話すべき)」と釘を刺した。それを受けて、東国原さんは、(1)集中審議や減給についての都議会の対応(2)不信任案に対する与党の反応など、今後の注目ポイントを解説していた。
「笑い事じゃない」という認識を持っているのはテリーさんだけではない。6月12日昼に「アッコにおまかせ」(TBS)では、和田アキ子さんが舛添氏の問題を「この人は笑えない」と発言。ベッキーさん(32)ら不倫をめぐる会見の話題では笑顔を見せていた和田さんが、舛添氏の話題では一転して表情を曇らせていた。
6月13日には、都議会の総務委員会で舛添氏を呼んで集中審議が予定されている。「大喜利」が繰り返されてしまうのかが問われそうだ。