米国で生活していると、たまに「これ何、どうやって使うの?」という類のものに出会います。我が家御用達のオーガニック系スーパーにて、目立つ場所にたくさん積み上げられている「何これ?」は「アップル・サイダー・ビネガー(Apple Cider Vineger、以下、ACV)」です。
お店に行くたびに、「目につくところにこんなに積んであるってことは、人気の品に違いない。でもどうやって使うのだろう」と好奇心から調べてみました。すると、なんと「万能薬」と言えそうな優れものでした。
ネットでは「健康のために飲んでいる」とのコメント多数
ACVは、砕いたリンゴが入った酢です。ただ、リンゴと酢の割合等、きちんとした定義付けがされていないため、その品数も質もピンからキリまで有るそう。液体以外にはタブレット型のサプリメントも出ています。私が買ったオーガニックブランドの液体タイプは、アマゾン・ドット・コムでは3.29ドル(約350円)で販売されています。
ACVに含まれる栄養素は、ビタミンB1、B2やB6、ナイアシンや鉄分など実に多様で、飲料として人気です。血糖値や血圧、コレステロール値を下げたい、体重を減らしたい、足がつって痛い、胃がむかむかする、喉が痛い、鼻がムズムズする、等々、飲む目的や症状は多岐にわたります。まるで、我々の日常生活に密着した悩みを手軽に解決してくれる薬のよう。
愛用者が多い品で、実際にアマゾンのレビューを読むと「健康のために飲んでいる」というコメントが多くみられます。
特に医学的に「この飲み方がいい」という飲み方はありません。ただそのままだと酢がきつくて飲みづらいので、水やジュースで割る人が多いよう。「酢は体にいい」とされていますし、できることならば積極的に摂(と)りたいです。ジュースのように気軽に飲める、はちみつ入りのACVも売られています。この味は、慣れると癖になりそうです。
化粧水に使ったら「本当につるつるになるのよ」
ACVを「万能薬」だと感じたのは、化粧水にもなると知ったからです。友人によると、彼女の娘が習い事をしている先生がとてもきれいな肌をしていたので、どこの化粧品を使っているのか聞いたところ、「ACVを化粧水代わりにしている」との返事だったとか。
それならば、と彼女も試しに使ってみたら、「本当につるつるになるのよ!」。私も、寝る前にいつも使っている化粧水の代わりにACVを顔につけてみました。塗るときに染みてぴりっときたのですが、確かに翌朝、お肌がつるつるなんです!まあ、難点は匂いが臭くて残る、ということでしょうか。
「飲む」「化粧水」以外にも、ACVは料理にも利用できるようで、日本に住むシェフの友だちから、日本への里帰り時に買ってきてもらえないかと頼まれました。奥が深い品です。ただ、少量を飲むのはいいのですが、長期間にわたりたくさん摂り続けると、歯のエナメル質が破壊される恐れがあります。また骨粗しょう症の女性も骨密度が低くなるので注意です。自分の体調や体質を考慮して飲むのが大事ですね。
●筆者プロフィル
北雨利香。南カリフォルニア在住。2児の母。40歳をこえた途端に、定期健康診断で毎回のようにひっかかり、医者にサプリを飲むよう指導される。興味のあることは美容、健康、子供の教育、米国プロスポーツ、米国大統領選挙、ハリウッドゴシップ。