問われる、その費用対効果
今回の割引制度の正式名称は「九州観光支援のための割引付旅行プラン助成制度」。今後、旅行会社から同制度を活用した九州旅行の関連商品が16年7月以降、登場するとみられる。購入者はパンフレットなどで割引額がいくらか――など特典が確認できる仕組みになるという。
政府は旅行割引券のほか、熊本、大分両県で被災した旅館・ホテルの復旧費用を補助するほか、地震で倒壊した熊本城や阿蘇神社など九州を代表する観光施設・文化財の早期復旧も支援する方針。国内外から九州に観光客を誘致する大規模なプロモーションも実施する。安倍政権は「九州の観光復興をいち早く遂げるため、内閣として『できることは全てやる』という方針のもと、政府一丸となって取り組む」という。
ただ、被災した道路など交通インフラを政府が早期復旧させるのは理解できるが、果たして政府が民間需要を喚起するため、個人客の旅行料金を割り引くことが適切なのか。予算のバラマキとの見方もあり、その費用対効果が厳しく問われることになりそうだ。