政府が「九州旅行を補助」 「地震復興」か「バラマキ」か

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   政府は観光客が激減している九州への旅行料金を最大で7割補助する制度を創設した。割引率は熊本県と大分県が最大7割、他の5県については最大5割で、政府はこの制度を活用し、150万人の観光客を九州に呼び込む考えだ。政府は熊本地震の復旧予備費180億円を使い、各県を通じて旅行会社に補助金を交付する。震災復興と景気回復のため、旅行客を国費で補助するという広義のアベノミクスだが、果たして効果はあるのだろうか?

   この割引制度は九州7県に旅行する観光客の宿泊代などを政府が補助するものだ。旅行会社で交通費や宿泊代などを含んだパックの旅行券を購入する場合、割引率が50%だと、額面1万円の旅行券を実際には5000円で購入できる。割引の期間は2016年7月~12月。10~12月の割引率は熊本、大分両県が25%、それ以外は10%に下がる。

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地元の強い要望うけ実現

   観光庁によると、九州では全域で宿泊などのキャンセルが相次ぎ、5月のゴールデンウィークまでに75万人分の宿泊キャンセルがあった。この状況が年末まで続くと最大で1700億円分の経済的損失が出る見込みとなっている。

   政府は2014年度の補正予算で、全国の自治体に「ふるさと旅行券」を出したことはあるが、地震などの震災で国から自治体に旅行補助の交付金を支給するのは初めてとなる。政府は熊本県など地元の強い要望に応える形で実現に踏み切った。

   ふるさと旅行券は政府の「まち・ひと・しごと創生本部」が2015年夏から実施。政府が旅行業者に助成する仕組みを初めて導入し、旅行者は本来価格から割り引いた料金で旅行できる仕組みを作った。各自治体は域外から観光客を呼び込むため、大胆な割引率を設定。茨城県のプレミアム付宿泊券は、額面5000円を2500円で購入できる(割引率5割)など話題を呼んだ。

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