「『老いらく』じゃなくて、円楽だっていうのに」――。2016年6月10日発売(首都圏など)の写真週刊誌「フライデー」で、一般女性との不倫が報じられた落語家の三遊亭円楽さん(66)。雑誌の発売当日午後に開かれた記者会見は、不倫騒動の謝罪・釈明の場としては異例の「爆笑会見」となった。
「聞かれたことは全てお答えいたします」という円楽さんの言葉通り、会見は時間・質問内容ともに「一切制限なし」。こうした誠実な対応や、噺家ならではのユーモア溢れるやり取りに、会見は終始和やかなムードで進行。ネット上では、「落語聞いてるみたいだった」と絶賛の声まで出ている。
「本人の意向として、楽しい会見にしたい」
「本人の意向として、『ドロドロと重い感じにはしたくない、楽しい会見にしたい』とのことですので、どうぞよろしくお願いいたします」
事務所スタッフのこんな「前説」から始まった今回の釈明会見。6月10日午後2時から都内のホテルの記者会見場にスーツ姿で現れた円楽さんは、まず報道の内容を事実と認め、「ファンの皆様、落語界を支えてくださっている皆様、スポンサーの皆様に深くおわび申し上げます」と謝罪。続けて、
「46年前の初高座の頃は、『芸人は女性にモテるくらいでないと』とよく言われたものですが、時代錯誤だったと痛感しております。皆様に不快な思いをさせたならば、高座でお返ししたい」
などと涙を浮かべて語り、集まった報道陣の前で頭を深々と下げた。
また、不倫で会見を開くにあたって、夫人からは「心配しなくていいから頑張って」とエールを送られたとも明かした。「(夫人は)泳がしていてくれる人だから、甘えていた部分もある」と反省の弁も口にしていた。
このように、会見冒頭は謝罪に徹し、何度も頭を下げた円楽さんだが、報道陣との質疑応答では「噺家の性分」が徐々に表になり出した。「フザけたいけど、フザけられないなあ」と苦笑を浮かべつつも、芸能レポーターの突っ込んだ質問に「座布団一枚」の回答を連発した。
例えば、「(不倫相手と会わなくなれば)空いた時間ができると思いますが、どう過ごすおつもりですか?」というレポーターの質問に、円楽さんは、
「部屋に引きこもって本を読んで、料理をして・・・ってこれはベッキーさんだね」
と冗談めかして回答。同日に行われたベッキーさんの復帰会見で飛び出た言葉をさっそく引用し、報道陣の笑いを誘った。
「これからは、円楽改め老いらくと呼んでほしい」
まだまだ円楽さんの「舌好調」ぶりは止まらない。フライデーが「老いらくのラブホ不倫」との見出しで報じたことを話の枕に、「『老いらく』じゃなくて、円楽だっていうのに」と一言。「これからは、円楽改め老いらくと呼んでほしい」との冗談まで飛び出した。
さらに、レポーターから「謎かけ」を求められる一幕も。円楽さんは「本職じゃないんだよなあ」とボヤきつつも、
「今回の騒動とかけまして、東京湾を出ていった船と解きます。(その心は)コウカイの真っ最中です」
と見事な回答を披露。出席していた記者を含め、会見会場では、思わず拍手と爆笑の渦が起きてしまった。
こうした会見の内容に、ツイッターなどでは「落語聞いてるみたいだった」「面白くて見入ってしまった」などと絶賛の声が続出。同日に行われたベッキーさんの会見を引き合いに、「同じ不倫会見とは思えない」「温度差すごすぎ」との声まで出ていた。
また、会見では、桂歌丸さんの「勇退」と後任司会の選出が大きな注目を集めた「笑点」(日本テレビ系)にも話題が及んだ。今後も出演を続けるかについて、円楽さんは「自分はまな板の鯉ですから。スポンサーやファン、日テレさんが許してくれるかどうか」と話すにとどめた。
10日に配信されたデイリースポーツ電子版では、日本テレビの話として「謹慎という話にはなっていない。18日(の放送)も予定通り出演する」と伝えている。ただ、同日にJ-CASTニュースが確認を取ったところ、日テレ宣伝部からは「笑点の担当者は本日お休みを頂いております」との回答が返ってきた。