血液検査でピーナッツアレルギーの有無確認を
急性アレルギー反応で怖いのは、アナフィラキシー・ショック。認定NPO法人アレルギー支援ネットワークのウェブサイトによると、じんましん、呼吸困難、嘔吐(おうと)、下痢、イガイガとした喉の痛み、顔の浮腫、虚脱状態などを引き起こし、特にピーナッツは重症になりやすい。「起こったらできるだけ早く適切な処置や治療をしないと、生命に危険が生じます」と説明されている。
ピーナッツアレルギーは10代以下の子どもに患者が多いのも特徴だ。厚生労働省の「食物アレルギーの診療の手引き2014」によると、全アレルギー患者のうちピーナッツを原因食物とする人の割合は、鶏卵(39%)、牛乳(22%)、小麦(12%)に次ぐ5%だが、2~3歳児は7.0%、4~6歳児では11.4%、7~19歳は11.9%を占める。
ピーナッツアレルギーがあるかどうかをチェックするには、血液検査が一般的だ。子どもには、痛みが少ない方法として、微小な傷をつけて検査液をたらし、反応を見る「プリックテスト」という皮膚テストがあり、病院で受けられる。
ジーマーミ豆腐以外で名前や見た目から原材料が判断しづらい食べ物としては、例えば「ガレット」がある。クレープのような薄く丸い生地を正方形に折り畳んだフランスの菓子だが、そば粉が使われている。日本の飲食店や露店でも売られており、そばアレルギーの人は知らずに食べてアナフィラキシー・ショックにならないよう注意したい。
前出のアレルギー支援ネットワークのウェブサイトによると、もしアナフィラキシー・ショックが起こってしまったら、医療機関にかかる前の応急処置として、即効性があるアドレナリン自己注射液「エピペン」を打つ。登録された特定の医師だけが処方できるので、アレルギーを持つ人は事前に病院に確認するのがよい。打ち方は、注射針を太ももの外側に垂直に強く押し付け、数秒間待つ。緊急の場合は衣服の上からでも打てる。実際には患者本人は身動きが取れず、身近な人が打つ場合もあるので、患者の家族は注射の打ち方を知っておいたほうがよい。
注射以外には、患者を仰向けで寝かせ、足を高くして楽な姿勢にする対処法がある。嘔吐があれば顔を横に向け、吐いた物を喉に詰まらせないようにする。いったん症状が落ち着いたように見えても再び出てくる可能性があるので、注意深く見守るようにしたい。