「進行が早そう」な小林麻央の乳がん 北斗晶・田中好子ら有名女性たちの闘いは

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   2016年6月9日、歌舞伎俳優・市川海老蔵さん(38)が記者会見で、妻のフリーアナウンサー・小林麻央さん(33)が乳がんにかかっており、通院治療を受けていることを明らかにした。

   麻央さんはここ半年以上、公の場所に姿を見せず、スポーツ紙などの「進行性がんで極秘入院」との報道を受けての会見だった。

  • 妻・小林麻央さんの病状を報告する市川海老蔵さん
    妻・小林麻央さんの病状を報告する市川海老蔵さん
  • 妻・小林麻央さんの病状を報告する市川海老蔵さん

海老蔵「深刻だという言葉でご理解いただきたい」

   海老蔵さんによると、麻央さんは1年8か月前に人間ドックを受け、乳がんが見つかった。がんの進行度(ステージ)については明かさなかったが、「医師から進行の早いがんだと聞いている。深刻だという言葉でご理解いただきたい。まだ手術ができる段階ではなく、(手術ができるよう)抗がん剤の治療を受けている。最近、退院できるようになった、具合が悪くなると入院、また退院を繰り返している状態」と明かした。夫妻には、長女の麗禾(れいか)ちゃん(4)と長男の勸玄(かんげん)くん(3)がいるが、海老蔵さんは「麗禾は母親の病気のことがわかるようになり、とても心配している」とも語った。

   乳がんは、日本人女性がかかるがんの1位で、12人に1人が生涯にかかるといわれる。しかも、女性ホルモンが影響するため、若い世代の発症率が高いのが特徴だ。国立がん研究センターのウェブサイトによると、食生活の欧米化により、ここ20年で3倍近くに増えている。25~30歳頃から発症し始め、30歳を過ぎると急激に増え、45~49歳がピークとなる。

「ママが笑うと可愛いのに」娘の一言で救われた音無美紀子

   若くして乳がんにかかり、戦っている著名人が少なくない。彼女たちの多くが闘病体験記を出版し、同じ病に苦しむ人たちにエールを送っている。

   モデルの園田マイコさん(45)もその1人だ。園田さんは38歳の時に発症した。シングルマザーで中学2年の息子がいた。普段からよく自己触診をしていたのが幸いした。たまたまその日、乳がんができやすい脇の下の辺りを触ったら、「あれっ?」と乳首の下に明らかに違うモノがあった。婦人科医の診断を受けると、「悪性です。全摘しないと」とアッサリ言われ、気を失いかけた。

   しかし、息子が「パパ(元夫)と2人でサポートするから大丈夫」と言ってくれ、思わず抱きしめた。その後、精密検査の結果、ステージ1の終わりとわかり、温存療法を選択、モデルの仕事を続けることができた。息子さんは風呂場を洗ってくれたり、家事をしてくれたり、本当に園田さんを支えた。

   音無美紀子さん(66)が乳がんの全摘手術を受けたのも同じ38歳だ。女優業の盛りだった。2人の子どもがおり、「手術で悪いところは全部とったから再発はしない。新しい自分に生まれ変わるのよ」と張り切って、入院中は「こんなに元気にリハビリに励む患者さんは見たことがない」と看護師にいわれるほど頑張った。

   ところが、退院後うつ病になった。子どもと一緒にお風呂に入れない。子どもが飛び込んできても、手術した胸をかばって抱けない。「できない」ことだらけに気づいたからだ。抗がん剤の副作用もつらかった。笑顔が消えた。そんな時、小学1年だった娘に「ママって笑わない。ママが笑うと可愛いのに」とポツリと言われ、その一言で「笑わない自分」に気づいたという。

北斗晶の夫婦タッグで乳がん検診は5倍に

   最近では、2015年9月に突然、48歳での乳がんの右側全摘手術を公表した元プロレスラーの北斗晶さん(49)がいる。「鬼嫁」の豪快なイメージがあっただけに社会に衝撃を与えた。しかも、退院後に行った記者会見で、乳がんが右脇のリンパ節に転移し、医師から「5年の生存率は50%」と告げられたことまで明かした。会見では時折、弱音をのぞかせながらも「やっと1歩前に進める」「負けないように闘います」と夫の元プロレスラー・佐々木健介さんと夫婦ともども力強く復活を誓った。

   北斗さんはその後もブログで闘病生活を発信している。彼女の病気と闘う姿勢が多くの女性たちの共感を呼び、乳がんの検診率が一挙に5倍に増えた医療機関もあり、話題になった。乳がんの場合は、とりわけ家族の支えが、病気との闘いに大切になるようだ。麻央さんの場合も夫の海老蔵さんは「家族で懸命に支えていきます」と語っている。

スーちゃん田中好子は震災被災者を心配しつつ逝った

   一方、乳がんとの闘病の末、亡くなった有名人も多い。麻央さんと同じ30代で発症した人もいる。

   元「キャンディーズ」のスーちゃんこと田中好子さんは1992年、36歳の時に乳がんが見つかった。手術と再発を何度か繰り返したが、毎年数回の検診を受けていたため早期発見でき、治療を続けながら仕事をしていた。ところが2010年10月、容体が変化。十二指腸潰瘍をわずらい、免疫力が低下したのが一因とされ、2011年2月にはがん転移した。

   「夏までもつか分からない」と医師から通告された夫・小達一雄さんは3月、悩んだ末、死が迫っていることを田中さんに告知した。折しも、東日本大震災の直後だった。がんと闘いながらもしきりに被災者を気遣った田中さんは同年4月21日、55歳でこの世を去った。小達さんは田中さんの遺志を継ぎ「田中好子『いつもいっしょだよ』基金」を設立している。

   「愛を下さい」のフレーズが印象的な曲「ZOO」などで知られる歌手・川村カオリさんは2004年に乳がんが発覚した。33歳だった。すぐに左乳房の全摘出手術を受け、07年にはピンクリボン運動に参加。「年に一度は乳がん検査に行ってほしい」と呼びかけた。しかし、08年に再発。リンパ節、肺、骨に転移し摘出は不可能と診断された。闘病中もライブやレコーディングを続け、09年5月には13年ぶりのフルアルバムもリリースしたが、同年7月28日、38歳で亡くなった。治療の経過を自身のブログで発信し続けた。スタッフが訃報を知らせたエントリーには1万4000件以上の追悼コメントが寄せられた。

   最近では、アニメ「ちびまる子ちゃん」でお姉ちゃんの声を務めた声優・水谷優子さんが2016年5月17日、51歳で亡くなった。亡くなる2か月前から、めまいや吐き気に苦しんでいた。アニメの収録には4月下旬まで参加していたが、その約1週間後に体調が急速に悪化し入院。それでも、病室に台本を持ち込むほど仕事復帰への意欲を見せており、最期の言葉は「仕事に行きたい」だった。訃報が伝わると、神谷明・緒方恵美・古川登志夫さんら声優仲間が続々とツイッター上で追悼の言葉を贈った。

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