「ママが笑うと可愛いのに」娘の一言で救われた音無美紀子
若くして乳がんにかかり、戦っている著名人が少なくない。彼女たちの多くが闘病体験記を出版し、同じ病に苦しむ人たちにエールを送っている。
モデルの園田マイコさん(45)もその1人だ。園田さんは38歳の時に発症した。シングルマザーで中学2年の息子がいた。普段からよく自己触診をしていたのが幸いした。たまたまその日、乳がんができやすい脇の下の辺りを触ったら、「あれっ?」と乳首の下に明らかに違うモノがあった。婦人科医の診断を受けると、「悪性です。全摘しないと」とアッサリ言われ、気を失いかけた。
しかし、息子が「パパ(元夫)と2人でサポートするから大丈夫」と言ってくれ、思わず抱きしめた。その後、精密検査の結果、ステージ1の終わりとわかり、温存療法を選択、モデルの仕事を続けることができた。息子さんは風呂場を洗ってくれたり、家事をしてくれたり、本当に園田さんを支えた。
音無美紀子さん(66)が乳がんの全摘手術を受けたのも同じ38歳だ。女優業の盛りだった。2人の子どもがおり、「手術で悪いところは全部とったから再発はしない。新しい自分に生まれ変わるのよ」と張り切って、入院中は「こんなに元気にリハビリに励む患者さんは見たことがない」と看護師にいわれるほど頑張った。
ところが、退院後うつ病になった。子どもと一緒にお風呂に入れない。子どもが飛び込んできても、手術した胸をかばって抱けない。「できない」ことだらけに気づいたからだ。抗がん剤の副作用もつらかった。笑顔が消えた。そんな時、小学1年だった娘に「ママって笑わない。ママが笑うと可愛いのに」とポツリと言われ、その一言で「笑わない自分」に気づいたという。