美容室のBGM「タダじゃない」 JASRAC、全国で簡裁申し立ての強硬

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美容室は著作権への意識が低い?

   JASRACが再び、無許諾の店舗などに対して民事調停を申し立てたことに、インターネットでは、

「携帯音楽プレーヤーで音楽を流せないとは厳しいですね」
「BGMに課金するのはやり過ぎだと思うけど......」
「ただのBGMなのか、客を呼ぶコンテンツなのかは明確でない。でも、そこは線を引かないと」
「よくこんなの調べられるな。カスラック暇なのかwww」

などと、JASRACに対して批判的な声が寄せられている。

   その半面、

「これはやっちゃうよなぁ... とは思うけど、請求されたら払わなきゃダメでしょう」
「著作権に厳しい欧米では店舗のBGMですら金を払うのは当然。日本も使ったものには金を払い、そのために音楽著作権管理団体と契約するのは自然な流れだ」

といったJASRACを擁護する声もないわけではない。

   JASRACの著作権使用料は、店舗面積500平方メートルまでで年額6000円。一方、よく比較される有線放送(USEN)の利用料は、チューナーのレンタル料やJASRACへの著作権使用料などを含め、1か月5000円程度(別途、導入費用が必要)かかる。

   金額ベースではJASRACのほうが安いのに、なぜ支払ってもらえないのだろうか――。

   JASRACは楽曲の利用について、「なかなか理解を得られないこともあります」という。「契約交渉は営業時間中に訪ねる機会が多いこともあってか、しばしば『音楽を使って何が悪い』などと怒鳴られることもあります」と、トラブルがあることも否定しない。

   そうしたなか、JASRACは無許諾の店舗に美容室が多いことについて、「業界の特性ではないか」と考えている。美容室は、個人経営などの小さな店舗が多いことや、「飲食店などと違い、これまでBGMをあまり意識してこなかったことがあります」という。さらに、最近の携帯音楽プレーヤーの普及が大きいとみている。

   BGMは必要だが、有線放送を導入するほどではなく、とはいえCDを利用してBGMを流すと、仕事中にCDを入れ替える手間が生じる。「最近の携帯音楽プレーヤーをつなぐ方法であれば、事前に楽曲を用意しておけば、時間を気にすることなく流し続けられるという、有線放送と同じような効果が期待できます。美容室ではそういった利用が多いということです」と説明。その根底には、「著作権への意識の低さがあります」と指摘する。

   これに対して、美容院経営者の事業者団体である全日本美容業衛生協会は、「2、3年前にJASRACから(契約していない店舗があるとの)話はありました。それもあって、店舗用に広報したことがあります」と話している。ただ、BGMの利用は店舗ごとに異なるため、広報活動にとどまっているようだ。

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