「逃げる気満々の人選だな」
また、飲食代やホテルの宿泊費など全84件のうち、宿泊6件と飲食14件が不適切ではないとの判断で、「是正の必要あり」との指摘がなされた。ただ、「要是正」となった20件のほぼ全てに、舛添氏からのヒアリングに基づくものか、「政治活動とは無関係であったとはいえない」との「注釈」も添えられていた。
こうした報告書に、記者会見では厳しい追及が相次ぎ、調査を行った佐々木・森本両弁護士には、「客観性をどのように担保するのか」「どうやって事実確認を行ったのか」などといった質問が飛んだ。
だが、質問に答えた両弁護士からは「我々がそう判断したということ」「調査は必要に応じて行った」などの答えばかりで、明確な返答はなかった。また、相次ぐ指摘にいらだった様子の佐々木弁護士が、「誰にヒアリングしたのか」と聞いた記者の1人に、「ヒアリングにどんな意味があるんですか」と逆質問を浴びせるシーンもあった。
調査を担当した佐々木弁護士は、小渕優子元経済産業相の関連団体をめぐる政治資金規正法違反事件でも、2015年に第三者委員会の委員長を務め、小渕氏に法律上の責任はない、との判断を下していた。その後、小渕氏は「不起訴」となった。
こうした経歴も含めて、今回の報告書について、ツイッターやネット掲示板などでは、
「逃げる気満々の人選だな」
「都民が納得できるような弁明は無かった」
「ダメだこりゃ 『適切適法』連呼じゃ誰も納得しないって」
といった批判的なコメントが相次いだ。
舛添氏は報告書の内容について、会見の中で「大変厳しいご指摘を頂いた」とコメント。不適切と判断された飲食費・宿泊費と同額を慈善団体に寄付することや、湯河原の別荘の売却など「けじめをつける」と宣言。「生まれ変わった気持ちで新たに都政に臨んでいきたい」と続投を表明。給与の返上などについても質問が飛んだが、現在は考えていない考えを明らかにして、1時間15分の会見を終えた。